鳴武沢の華【金城楓】 (ページ7)

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【No side】

遠野「あっさり...基準タイムクリア......」

「フリー100でも大会記録って......」

そんな遠野達の視線の先には水から上がる2日連続で大会記録を叩き出した金城

椎名「...なんて奴だッ」

その後女子フリー100でも鳴武沢の相美Aが又もや大会記録を叩き出し、個人メドレー・フリー100のシドニー大会の出場権を獲得した

A「....あんのばかっ」

酷く痛む腰に鞭を打ちながら見事泳ぎきったAは眉を顰めて言うとその張本人が自身を見下ろしていた

金城「ヘェやるじゃん、流石だねェ....？」

A「おかげさまでね、ありがとう」

皮肉の籠った言い方とAの様子を見て、金城の隣でその泳ぎを見ていた須藤はその意味を察した

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金城「A!! 俺も水泳する！！」

A「...そう」

そう言って家の玄関を勢いよく開けたのは、先日祖母の家から帰ってきたという元気な幼なじみ

金城「今日からAと同じとこのスイミングスクール行くんだよ！」

そう言う金城の手には水着が入っていると思われるバックがぶら下がっており冗談では無い事を知った

Aも水着の準備をして玄関へ行き靴を履いて立ち上がった瞬間、金城はAの手を引いて走り出す

金城「はやくはやく！！」

A「っ...そんなに、急がなくてもッ!」

この時はまだ、この2人が後に水泳界へと名を轟かす事になるとは誰も想像していなかった。

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目を開けば見慣れた天井があり、重さを感じる左腕を見れば愛しい彼女が絡まり着いている

A「ん........かえで...」

身体を起こせば肌寒くなったのか目を覚まして少し目を開けば、まだぼんやりと見える金城の名前を呼ぶ

そんな彼女の顔に掛かる髪をそっと耳にかけ、割れ物を扱う様に頭を撫れば彼女は再び目を閉じた

金城「......」

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