私を拾ってくれませんか？【Fischer's】【シルクロード】

かみのけ ページ18

シルク side



｢………………｣


『どう？これじゃバレるかな？』







ある日の朝、Aは言ってきた。



『シルク、お願い事があるの。いいかな？』






上目遣いに軽く首を傾げられたら聞くしかねぇよな。




……ホレた弱味だって？うっせぇ。









｢いいよ、何でも言ってみ？｣





『髪の毛切りたい。』




｢へ？｣









それで今に至る。
研究所の奴等にバレねぇようにしたいらしい。
取り敢えず髪の毛を切りに美容院に行ってきたってわけ。







腰まであった髪をバッサリ切り
今では首の後ろが見えるくらいまでの長さになった。









それが思った以上に似合うのだ。









『ねぇ〜シルク〜バレるかな？』



｢ば、バレねぇんじゃねぇの？｣






動揺してる俺なんて知らないとでも言うように

鏡とにらめっこしながら俺に聞いてくる。









なんだこの可愛いの。
バレるバレないじゃねぇ、可愛い。









数日後、ザカオが喜んでたのは言うまでもない。




それを見てる俺が嫉妬したのは認めたくない。

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