ニゲラ (ページ5)

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大我side

「……ふぅ」

ジェシーに体を触られるのが怖くて逃げるように部屋へ戻ってきた

ベッドに腰掛けて完成した絵をぼーっと眺めていればどうしても湧き上がるのは負の感情

いつの日か1度だけ5人揃って俺に問いかけてきたことがあった

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優「…俺たちは大切な家族だろ」

樹「なんでそんなに俺らを遠ざけんの、」

北「っ教えてよ大我」

ジ「オレたちさ、家族でしょ？」

慎「…どうして、？」

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みんな顔を涙で濡らしていた

それも全部自分のせいで、大切な家族にそんな顔をさせてしまったことに酷く胸が痛んだのを覚えてる

今まで黙っていたけどその時初めて自分の心の内をさらけ出した

その時はどこか頭が冷めていて、どこか冷静になっていて。
5人の様子とは裏腹に淡々と話していたような気がする

そして

ーみんなの事が大切だから、だからこそなんだよ。俺は汚いの。だからみんなには触れられない、触れちゃいけない。ー

俺の発したこの言葉を聞いたときみんなは辛そうな顔をした

俺にとっては大切な家族を思っての言葉だった

だからこそ、なんでそんな顔をするのか分からなくて、でもどうやったら笑顔にさせてあげられるのかはもっと分からなかった

「あー、だめだ」

今日はちょっとダメな日なのかもしれない

そう思っていつもお世話になっている精神安定剤と睡眠導入剤を手にした

口から出る声はやけに落ち着いているけど、手足はわかりやすく震えていて

呼吸もままならなくなってきた

「…はぁっ、は……っ、はっ…」

苦しい

苦しい

呼吸の仕方がわからない

その上持病の喘息まで出てきてしまって

とにかく吸入器を使わないといけないと覚束無い足で這い、手を宙で彷徨わせた

そしていつもの定位置にあるそれを取ろうと思い立ち上がろうとしてそのまま倒れた

その時近くにあった完成させた絵と道具を一緒に倒してしまい大きな音がなる

「っぜぇ……ぜぇｯ…はぁっ……」

もう起き上がる気力もない

倒れたときにぶつけた体が痛い

早くこの苦しみから解放されたい

そう思った時

「大我！！！」

勢いよくドアを開ける音と焦った声が聞こえて目だけを向ける

そこに立っていたのはついさっきまで一緒だったジェシーだ

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