―彼岸花の咲く黄昏時に― (ページ24)

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第二十三章太陽が真西に沈む時ページ24

ようやく彼岸明けの日になり殺せんせーにお墓がある場所を案内される。日付が変わるにつれ渚の痣は体に広がって行き渚はとても苦しそうにしていた。

(お願い・・・！彼岸の世界に繋がって！)

心の中で強く願う。すると到着したのか殺せんせーは止まった。

｢殺せんせーここ？｣

｢・・・えぇ。ですが・・・｣

殺せんせーの視線の先は細い道になっておりただの石のお墓があり、そこには神社らしき建物はなかった。

｢ただのお墓だ・・・神社なんてない・・・やっぱり所詮ただの・・・｣

思わず地べたに座り込む。

｢茅野さん・・・｣

｢渚はもう助からないの・・・？｣

目の縁に涙が溜まり俯いたその瞬間、太陽が沈むのと同時に目の前に階段がうっすらと現れた。

｢え・・・階段？｣

｢言い忘れていましたがこの前言った彼岸と此岸が近くなるのは正しくは『太陽が真西にに沈む時彼岸と此岸がもっとも通じやすくなる』でした。私達はどうやら早く来すぎたみたいでしたね。｣

｢殺せんせーはまだこれからだって分かってたの？｣

私が聞くと殺せんせーは｢いやぁ申し訳ないです。｣と言った。

｢殺せんせーヒドイ！私神社が現れないと思って泣いちゃったよ！｣

涙を拭き、ゆっくり立ち上がる。

｢さぁ。行きましょう。渚君を助けるために｣

｢うん・・・！｣