月食の夜にまたここで。【神谷浩史】1st

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_______私はずっと独りだったんです





昔の事を思い出しながらぽつりぽつりと言葉を紡ぐ




小さい頃両親は日本に住んでたけど常に世界中を飛び回っていた






誕生日祝いはいつも置き手紙で






両親が私のことを大切にしてくれていることも分かっていた









神谷さんは私の話に時々あいづちを打ちながら何も言わず聞いてくれた





A｢独りだった時はずっと友達と遊んでました｣







A｢小学2年生ぐらいの時の話です｣






A｢また、独りの時、雷がなっていました …すごくすごく怖くて部屋の隅で丸まってました｣






やばいと思った時にはもう、遅くて




涙が私の目からこぼれ落ちた






神谷さんはあの日のように私の頭を肩に抱き寄せた






神谷｢…辛かったね｣





私は無言でうなずく





神谷｢今までの愚痴、弱音全部吐いていいよ 僕しか聞いてないから｣






神谷さんの優しさにまた泣きそうになった






A｢すごくすごく寂しかった｣





神谷｢うん｣






A｢小学校のうちに家族で水族館に行く夢も叶わなかった｣






神谷｢うん｣







A｢授業参観にも来て欲しかった｣






神谷｢…うん｣






神谷｢Aちゃんは独りじゃないよ｣






神谷｢僕も、学校の友達も、Aちゃんの事を大切に思ってくれている人もいる｣







神谷｢だから大丈夫だよ｣








私は涙が止まるまでずっと神谷さんの肩で泣き続けた





神谷さんはずっと私の背中をぽんぽんと叩いてくれていた

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