月食の夜にまたここで。【神谷浩史】1st

41*ﾟ神谷さんside ページ41

家でゲームをしているとAちゃんが帰ってきた





おかえり、と言うと｢ただいまなさい｣と変な日本語が帰ってきたが、｢すぐ帰ってきます｣と言い、また出ていった






何か用事でもあるのかなと気にしていなかったが、





2時間たっても3時間たっても帰ってこない





しかも外はまだ雨が降っている


さすがに心配になり、探しに行くことにした






しばらく探していると、Aちゃんの傘が落ちていた





びっくりしたが、近付くとAちゃんが傘をさしてしゃがんでいるだけだったので、少し安心した




神谷｢Aちゃんこんなとこでどうしたの？｣









A｢この子…｣




傘の内側をのぞき込むとそこにはダンボール箱に入れられた子猫がいた






A｢学校から帰ってくる時に鳴き声がして近付いたらびしょびしょになって震えてて｣








この子猫と自分を重ねわせてるのかもしれない





(どうしようかな…)







神谷｢とりあえず家連れてく？｣





にゃんこ先生いるけど多分大丈夫だろう






A｢いいんですか？｣






神谷｢うん ていうかずっとここにいたの？｣






A｢はい｣






神谷｢風邪ひいちゃうよ｣






A｢この子が寒い方が嫌です｣





神谷｢人思いだね｣





A｢そうでもないですよ｣




会話はそこで途切れた






家に着くまでの間、Aちゃんはずっと子猫を抱きしめていた

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