第百一話 ページ7
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実弥への攻撃を止めたのは、鬼殺隊最強と謳われた人。
悲鳴嶼さん…
私も…私も応戦しなくちゃ
でも、さっき、「お前はまだだ」と言われた気がする。
悲鳴嶼さんがあんなに戦っているのに、私は見てるだけでいいのか
実弥があんなに傷ついて戦っていたのに、私はここで無一郎を守ってるだけでいいの?
玄「ッ麻友さん…ッ…!」
『…!玄弥?』
玄「胴体を…強く押し付けてもらえるか?」
『ッッくっつくの?』
玄「厳しいかもな…。あの…あそこに落ちてる…上弦の髪の毛…取ってきて…喰わせて貰えるか?」
『そんなこと、「最期まで…戦いたいんだ…兄貴を…守る…死なせたくない…」ッ…!!わかったッ…』
込み上げる涙を堪えながら、私は髪の毛を掴み、玄弥の口元へともっていく。
鬼の一部を体内に取り込むことで、玄弥の身体の鬼化が進む。
…玄弥は、この戦いで尽きてしまうだろう。
『ッ玄弥、まだ耐えてッ!!!実弥を、ッ…あんたの兄貴を守るんでしょッ!!??』
玄「ッッ…!!」
私の言葉に自我を取り戻した玄弥。
こんなことしてる間に、実弥と悲鳴嶼さんがッ…
早く、早く私も行かなきゃッ…
無一郎の手と刀を繋いでいると、脳内に嫌な光景が飛び込んでくる。
実弥の身体が、ッ…
『ッッぐ、ぅぅッ…!!!』
無一郎と玄弥を置いて走り出した私は、実弥を引っ掴んで身体を旋回させた。
実「麻友テメェ何してッッ!!!」
『あ"ッ…んたの弟がッッ!!!必死に守ろうとしてる兄をッ、こんなところで死なせるわけないでしょッッ!!!』
実「麻友ッ…」
実弥を掴んだまま地面に着地すると、体勢を立て直し上弦へと向かっていく。
そんな私の後に続くように、無一郎、悲鳴嶼さん、そして実弥が攻撃を仕掛ける。
私の横を走る無一郎が間合いの内側に入ろうとしている。
あぁ、分かってしまった。
視なくたって、無一郎の考えることも、行動も
それは私だけじゃなかった。
悲鳴嶼さんも、実弥も無一郎の道を作るために後衛に回る。
なら、私も。
『毒の呼吸_肆ノ型 毒渦ッ…』
無一郎のために、ッ…玄弥のためにッ…
上弦が全て理解したとしても、私が二人を全力で援護する。
無一郎と玄弥が上弦の足止めをしたと同時に、悲鳴嶼さんと実弥と共に斬り掛かる。
そんな時だった。
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はりぼ(プロフ) - 感動で泣いてしまいました。久々にこんな神作を読ませて貰いました。ありがとうございます。とても感情移入しやすくて本気で号泣してしまいました、、、 (3月4日 1時) (レス) @page27 id: 18e8a9f028 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん - とても感動しました! 本当にこういうお話が読みたかったので、嬉しかったです! (2023年5月4日 12時) (レス) @page27 id: 1d25fc6b83 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - お話読ませていただきました!実際にありそうなストーリーでとても引き込まれました。それぞれのキャラクターの気持ちがよく表現されていて面白かったです! (2023年2月10日 19時) (レス) @page27 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
由利 - 凄く感動しました!本当にあったように感じました!(?) (2022年10月3日 22時) (レス) @page27 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2022年4月30日 18時