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第百十話 ページ16



善逸side





他の柱のみんなの心音が小さくなっていくのがわかる。





甘露寺さん、伊黒さん、悲鳴嶼さん…





みんな柱稽古でお世話になった人たちだ。





なんで、俺たちがこんな目に合わなきゃならないんだよッ…





炭「ぜ、んいつ…!」





善「!!炭治郎!!無事だったんだな!な、なぁ、麻友がどこにいるか分かる!?全然音がしないんだっ、なぁ、…炭治郎、?」





炭治郎は眉間に皺を寄せて俺を見つめる。





炭「麻友、は…」





善「っ、な、なんだよ…」





俺の肩を掴んで俯く。





やめろよ、そんな悲しい音させるの





なんでそんな音させるんだよ、





炭「冨岡さんと、隠の皆さんと確認、したんだ…っ…でも、っ…麻友の脈が止ま「やめろよッ!!!!」善逸…」





善「そ、そんなっ、そんな笑えない冗談言うなよ…、はは、っ…そんな、面白くもないぞ、…」





炭「善逸っ…現実から目を背けるなっ…」





善「うるさいッ!!!麻友に、麻友に会わせろよッ…!!」





だって、約束したじゃんか





ずっと一緒にいるって





約束、しただろ、





そんなの信じられるわけないだろ…





取り乱す俺の腕を掴んで炭治郎が歩き出す。





そして、しばらく歩くと足を止めた。





そこには泣きじゃくる隠の人たちと、地面を殴りつけたまま蹲る冨岡さんがいて





その真ん中には、項垂れたまま動かない見覚えのある鈴蘭の耳飾りをした女の子。





善「っ、ぁ、麻友、ッ…麻友ッ!!!!」





酷使してまともに使えない足をもつらせながら麻友に駆け寄る。





善「ね、ねぇ!麻友!!もう戦いは終わったんだぞ!つ、疲れすぎて寝ちゃったのかなぁ…?こ、こんなとこ、ろで寝たら、ッ…風邪、引く、ッ…から、さぁ…っ…」





俺は麻友を自分の腕の中に閉じ込める。





炭「ッうぅっ…くっ…」





冨「麻友…っ……」





善「起きてよぉ…ッ…頼むから、っ……」





そう麻友から力なく離れた時、





突然俺の耳にドクンッと鼓動の音が響いた。





善「…え、?」





顔を上げれば、麻友の目が開いている。





潰れていたはずの左目が何故か元通りで。





それに、麻友の綺麗な翠色の瞳が、何故か禍々しく見えた。





善「麻友…?」





麻友の名前を呼んだ瞬間、目にも留まらぬ速さで俺の頚に麻友の手が伸びてきて、あまりにも突然の事に身体が硬直した。





そんな俺を炭治郎が掴んで、全員で麻友から距離を取った。





なにが、起こってるんだよ…?

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はりぼ(プロフ) - 感動で泣いてしまいました。久々にこんな神作を読ませて貰いました。ありがとうございます。とても感情移入しやすくて本気で号泣してしまいました、、、 (3月4日 1時) (レス) @page27 id: 18e8a9f028 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん - とても感動しました! 本当にこういうお話が読みたかったので、嬉しかったです! (2023年5月4日 12時) (レス) @page27 id: 1d25fc6b83 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - お話読ませていただきました!実際にありそうなストーリーでとても引き込まれました。それぞれのキャラクターの気持ちがよく表現されていて面白かったです! (2023年2月10日 19時) (レス) @page27 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
由利 - 凄く感動しました!本当にあったように感じました!(?) (2022年10月3日 22時) (レス) @page27 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かふぇらて | 作成日時:2022年4月30日 18時

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