第百九話 ページ15
*
『ッッ!!!!』
駄目だ、逃げるなッ!!頭食われたってこの手を離すなッッ!!!!!!
私の頭が食われる、そう目を閉じると私と無惨の間に別の何かが割ってきた。
『な"ッ、小芭内ッッッッ!!!!!!!!』
私を庇って、小芭内の顔に歯が突き刺さっている。
実「夜明けだ!!このまま踏ん張れェェェッ!!!!」
夜明け、その言葉に無惨が反応した。
山の間から少しづつ覗く太陽の光。
あと少し、それなのに
無惨が衝撃波を放ってきた。
離すなッッ離すなァァァッ!!!!!!
衝撃のせいで左目が潰れた。
もう、今しかないッ、
『ゴフッ!!』
私の身体そのものが毒の塊。
これで、私が食われてしまえば
失血や、毒の効果で力が抜けかける私を支えるように、誰かが私の刀の柄を掴んだ。
義勇ッ
無惨の肉が焼ける音がする。
『ッッ!!!!』
無惨がまた膨れ上がったと思ったら、私の腕が飲み込まれていく。
これじゃ義勇までッッ!
私は片腕で義勇を突き飛ばす。
冨「麻友ッッッ!!!!!!」
必死に手を伸ばす義勇の姿を最後に、私は無惨に吸収された。
後は、みんながやってくれる。
そう信じて___。
***
ここは…
無惨の体内?
肉壁が私を繋ぎ止めて動けない。
『くっそ…ッ…』
無「お前に全てを託す」
『無惨ッ!!?』
無「あの男と共にいた藤を纏う男の末裔…お前は彼奴によく似ている。」
何故か涙を流す無惨が私にゆっくりと手を伸ばしてくる。
『ッやめろッ!!触るなッ!!』
なんで、ッ…なんで、
無「お前の毒は実によく出来ていた。しかし、覚醒していた私を死にもたらす程の効果はなかったようだな。私の血を分解する程度だったが。陽の光によって私は死ぬ。何も残さず死ぬ訳にはいかんのだ。」
『や、ッめろッ…やめろッ!!!!』
無惨の鋭い爪が私の頬や頚に突き刺さる。
何かが私の身体の中へ流れ込んでくる感覚がする。
やだ、嫌だッ、私はッッ…
『鬼になんかなりたくない……ッッ!!!!』
無「鬼の王となれ、君影麻友__」
『嫌ぁぁぁッッ!!!!!!』
****
善逸 side
善「麻友、はッ…麻友はどこにいるんだよ、ッ…!!」
「動くな我妻ッ!!!」
善「麻友ッッ…!!」
麻友の音が聞こえない。
そんなこと、あるわけないんだッ…
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はりぼ(プロフ) - 感動で泣いてしまいました。久々にこんな神作を読ませて貰いました。ありがとうございます。とても感情移入しやすくて本気で号泣してしまいました、、、 (3月4日 1時) (レス) @page27 id: 18e8a9f028 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん - とても感動しました! 本当にこういうお話が読みたかったので、嬉しかったです! (2023年5月4日 12時) (レス) @page27 id: 1d25fc6b83 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - お話読ませていただきました!実際にありそうなストーリーでとても引き込まれました。それぞれのキャラクターの気持ちがよく表現されていて面白かったです! (2023年2月10日 19時) (レス) @page27 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
由利 - 凄く感動しました!本当にあったように感じました!(?) (2022年10月3日 22時) (レス) @page27 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2022年4月30日 18時