第百七話 ページ13
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カナヲ、カナヲはッ…!?
『ッ…!!カナッ…』
無惨の目の前で硬直したまま動けなくなっているカナヲ。
何をしてッ…
「やめろー!!!」
『ッカナヲッッ!!!!!!』
地面を蹴り、無惨の攻撃を交わしながらカナヲを抱き抱える。
カ「ッ麻友、ッ、ごめんなさッ…」
『謝らなくていい…ッ…』
私は駆け寄ってきた隠にカナヲを預け、最期の戦いをする為に無惨の前へ躍り出た。
無「何という醜い姿だ。」
『…お前のせいで何百人と仲間が死んだ。もう、そんなことさせない。ここで全て終わらせる。』
吸い寄せられるように私たちは戦いを開始する。
ここまで来るのに、どれだけの犠牲をはらったか。
大切な人を、どれだけ失ったか。
昨日まで笑いあっていたんだ。
鬼にとって仲間や家族はそんなものなのかもしれない。
人間にとって家族や仲間ってものは、命に変えてでも守りたいと思えるものなんだ。
確かに鬼は強い。
人間は脆く儚いものに見えるだろう。
でも、大切なものを失い、絶望や憎悪に飲まれた人間は
『鬼を越える。』
無「ッッ!?!?」
『そろそろ効いてきただろう。お前が弱いと嘲笑った人間と、お前を憎む者の力によって作り出された薬がなッッ!!!!!!』
しのぶと珠世さんの力によって作り出された四つの薬。
珠世さんが無惨に食われることによって、無惨の体内に薬が入った。
徐々に老いていき、動きが鈍る。
そこを私が狙う。
過去で鴉が鳴く。
「夜明ケマデ四十分!!」
殺れる、私ならッ!!!!
そう刀を握り直した瞬間、目の前から無惨が消えた。
『ッ逃げたッ!?ッッッふざけるなッ!!!!!!』
私は必死に後を追う。
こんなところで、こんな形で終わるだなんて
そんなのぜっっっったいに許さないッ!!!!
『ッ夜叉狂乱舞ッッ!!!!!!』
私は無惨の頚めがけて刀を振りきった。
無「ぐッッ!!!」
『逃がすかァァァァァッッ!!!!』
血を吐きながら私は力の限り無惨の足止めをする。
「夜明ケマデ三十五分ッ!!」
まだだ、耐えろッ!!!!
せめて他の柱が回復するまでッ!!!!
『ッッ!?』
無惨の触手が私を薙ぎ払うように向かってきた。
それを避け距離をとると、無惨の様子が何やらおかしいことに気がついた。
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はりぼ(プロフ) - 感動で泣いてしまいました。久々にこんな神作を読ませて貰いました。ありがとうございます。とても感情移入しやすくて本気で号泣してしまいました、、、 (3月4日 1時) (レス) @page27 id: 18e8a9f028 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん - とても感動しました! 本当にこういうお話が読みたかったので、嬉しかったです! (2023年5月4日 12時) (レス) @page27 id: 1d25fc6b83 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - お話読ませていただきました!実際にありそうなストーリーでとても引き込まれました。それぞれのキャラクターの気持ちがよく表現されていて面白かったです! (2023年2月10日 19時) (レス) @page27 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
由利 - 凄く感動しました!本当にあったように感じました!(?) (2022年10月3日 22時) (レス) @page27 id: 825b0bc841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2022年4月30日 18時