相反恋愛 Ⅲ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ10)

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Story 102 ページ10

＊

お兄様の言葉に、シリウスが私とロンの方を見る。

シリ「…そうだな。マユ、ロン。大丈夫か？」

『だ、ッ…い』

ロ「ッ…」

シリ「これは相当酷いようだな。部屋でゆっくり休むといい。」

そう私たちの頭を撫でると、扉を開けてくれた。

ロ「マユ、行こう…？」

『ん…』

私とロンは、本部に滞在していた時の部屋に足を運んだ。

＊＊＊

部屋に入ってからと言うものの、私たちはずっと黙っていた。

話せるはずがなかった。

怖くて、不安で、病院に運ばれるほどの怪我だなんて、って。

あのお父様が簡単にやられるはずがないのに

心が冷えきっていくような感じがして、私は顔を足に埋める。

ドラコに抱きしめて欲しい。

不安なの、怖いよ、家族がいなくなっちゃうかもしれない

ドラコ…ッ…

何度も心の中でドラコを呼んだ。

すると、薬指にはめられているリングがじんわりと熱くなった。

『…ッ…？』

火傷するほどではないものの、確かにリングは熱くなっている。

なんでかは分からないけど、ドラコが側にいる気がする。

繋がっている気がする。

泣くなって

そう言われている気がする。

『ドラコ…』

そのまま私は目を閉じ、微睡みに身を沈めた。

＊＊＊

ロ「…ぃ…お…！ぉい……マユ！！」

『…！！』

どれくらい眠っていたのだろう。

私はロンの声で目を覚ました。

ロ「君のママから手紙が届いた」

『…っほんと、！？』

勢いよく立ち上がる私。

早く、早く知りたい。

ロ「あぁ。さっきアランに渡されたんだ」

ロンは私に羊皮紙を手渡した。

震える手でそれを受け取ると、私は中を見る。

お父様はまだ生きています。
お母様はモリーと共に聖マンゴに行くところです。
ディオリスの子なら冷静に慌てずじっとしていなさい。
すぐに知らせを送ります。
母より

私は手紙を下ろすと、ベッドに座り込んだ。

”まだ”って、なに？

『ロ、ン…まだって…まだって、さ…』

ロ「っ…落ち着けよ、僕のママからの手紙にも、そう書いてあったんだ、…でも、今は、ママを待つしか、ないだろ…？」

『そ、…だね…』

私はロンと寄り添ってベッドに腰かけ、お母様からの連絡を待った。