Story 61 ページ16
＊
夜、みんなが厨房で談笑している時、私は一人部屋にいた。
もし、私がヴォルデモートに狙われているとしたら
ドラコを巻き込んでしまうのではないか
ドラコを傷つけてしまうのだけは嫌だ。
ただ、不安で、怖くて
何故お父様が今の今まで教えてくれなかったのかと、少しだけ怒りを覚えた。
薬指にはまるリングを眺める。
ここにいる以上、ドラコと手紙を送り合うことすら出来ない。
『…今、何してるんだろ』
ベッドに倒れ込み、目を瞑る。
早く、早く学校に行きたい
恋人として過ごせなくてもいい。
せめて、顔が見たい。
何故か、ドラコの顔が見れなくなる日が来る気がしている。
勘違いであってほしい。
その時、扉をノックする音が聞こえて、身体を起こす。
『どうぞ？』
中に入ってきたのは、
『…お兄様？』
アラ「今、大丈夫か？」
『うん…どうしたの？急に』
お兄様は扉を閉めると、私の隣に座った。
アラ「…昨日はごめん。」
『え？』
アラ「シリウスの話だよ。父上と母上の」
『…あぁ、あれか…』
なんでお兄様が謝るんだろう。
お兄様は何も悪くないのに。
アラ「俺は…ずっと父上に憧れてきた。」
『…うん、知ってるよ』
アラ「家族を守れるような、ディオリスの名に恥じないような立派な…立派な闇祓いになりたいと、今まで頑張ってきた。」
『うん…』
アラ「…本当はな。気づいてた。マユが…父上に似ていること」
『…え？』
アラ「困っている人を見て見ぬふり出来なくて、正義感が強くて…俺より魔法を使いこなしていて…兄として情けないよ…」
髪をぐしゃりと掴んで、お兄様は悲しそうに笑った。
あまりにも辛そうな顔に、心臓がズキリと痛む。
お兄様が頑張っていたことを、一番近くで見ていた私だからこそ
お兄様がどれだけ辛いのかが分かる。
『お兄…様…』
アラ「どう足掻いても、俺は父上のようにはなれない。でも、俺は次期当主。ここで諦める訳にはいかない」
目を閉じて俯くお兄様は、悲しいかな、お父様にそっくりだった。
アラ「俺が母上に似たなら、この頭を使ってディオリスを繁栄させる。この頭で、家族を守る。マユには劣るかもしれないけど、人よりは魔法を扱うのは得意だからな」
優しく私の頭を撫でると、お兄様は私の頬をなぞる。
アラ「お前は大切な妹だから、傷ついて欲しくなかった。」
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ラムネ - 更新待ってます❗ (2022年1月3日 13時) (
レス) @page45 id: cd7d6e6efa (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 主人公の強い女の子感最高すぎます！ (2021年12月27日 15時) (レス) @page26 id: 444cc76f70 (このIDを非表示/違反報告)
わかな - 毎日ドラコの小説漁ってますけど、新しく出て見てみたら最高じゃないですか！！一気に読んでしまいました、きゅんです！ (2021年12月25日 3時) (レス) @page24 id: f93237fe28 (このIDを非表示/違反報告)
Notte(プロフ) - すごい好きです。語彙力無くなってしまうほどに好きです。 (2021年12月23日 23時) (レス) id: fb4cdb52a4 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ - ドラコとマユ可愛すぎません???( ≧∀≦)ノ (2021年12月23日 18時) (レス) @page20 id: cd7d6e6efa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かふぇらて | 作成日時：2021年12月19日 9時
