第八十九話 ページ42
*
杏「麻友…」
『…帰れ。私は嘘がこの世で一番嫌いなんだ。もう二度とお前と話す気は無い。』
私がそういえば、煉獄は辛そうに顔を歪め「分かった。すまなかった」と言い残し、屋敷から出ていった。
『ッ…』
心は痛いのに、苦しいのに、涙が出てこない。
何故、結末はいつもこうなんだ。
神や仏などいやしないんだな。
『…消えてしまいたいよ』
そんな私の声が虚しく響いた。
***
「「……」」
柱合会議に参加すれば、皆私を見て顔を顰める。
ただでさえ足でまといの私を、腫れ物扱いか。
ここにも居場所がないようだ。
産「…麻友」
『はい。』
産「何があったのか、話してくれるかい?」
『…くだらないことです。お館様のお耳に入れる必要はないかと。』
杏「ッ……」
産「麻友。私はね、可愛い子供たちに何があったのなら手を差し伸べたいと思っているんだよ。今の君は昔の心が壊れてしまっていた頃によく似ている。放っておけないんだ。皆心配しているよ。」
心配?
どこかだ。
ただの腫れ物じゃないか。
『お館様言えど、言えません。申し訳ございません。今から任務がある故、先に失礼致します。』
深く頭を垂れ、私は立ち上がる。
天「待て。一人で任務に行くのは禁止されてただろ。俺も行く。」
『来るな。』
し「麻友さん!」
『私をなめるな。』
行「麻友。皆身体を案じているんだ。言うことを聞きなさい。」
『放っておいてくれ。』
皆口々に私を止める。
そんなに私が使えない人間か。
そんなに、私は役に立たないか
『…馬鹿にするな。』
「「…!」」
『失礼致します。』
産「麻友…!」
お館様に止められるも、私は無視をしてその場から立ち去った。
産「困ったことになったね…。誰か麻友を追ってくれ。あの子はああなってしまったら止められない。杏寿郎、行ってくれるかい?」
杏「っお、れは…」
実「テメェの仕業か煉獄ッ!!!」
不死川が声を荒らげて煉獄に掴みかかる。
蜜「ら、乱暴はだめよ…!」
冨「お館様の御前だぞ。」
実「ッうるせぇッ!!煉獄テメェがアイツのこと傷つけたのかァ!?幸せにすんじゃなかったのかよォッ!!」
杏「不死川に何がわかるッ!!!」
し「煉獄さんッ!!」
珍しく煉獄も反応し、不死川と取っ組み合う。
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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時