第七十八話 ページ34
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次の日、私はお館様の元へ。
『突然訪問してしまい申し訳ございません。』
産「良いんだよ。一体どうしたんだい?麻友から来るなんて珍しいね。」
『…お館様にお伝えしなければならないことがございます。』
産「ふむ。なんだい?」
『私、雨柱 雨辻麻友は…柱を降りようと考えております。』
私がそう言えば、お館様の息を飲む音が聞こえた。
本当は貴方の為にも戦いたかった。
申し訳ございません。
産「それは一体何故かな。」
『はい。無限列車での上弦との戦闘の後遺症が残り、私は今までと同じように戦えなくなってしまいました。肺を傷つけてしまい、呼吸が上手く出来ないのです。このままでは足を引っ張ってしまう。柱でいる資格がございません。』
産「…雨将と同じ末路を辿ってしまうのだね。」
『…娘ですから。それに、お館様もご存知の通り…雨辻は元々長命ではございません。今生きていることが奇跡なのです。』
産「そうだね…。君の母、
そう。私の母上も鬼殺隊の人間だったのだ。
母上は父上の継子だった。
そこで二人は結ばれ、私と志雨が生まれた。
『お館様。この身が使い物にならなくなるまで…私は自分の責務を全うしようと思っております。それまではどうか、柱で居させて貰えないでしょうか。』
額を地面に擦り付けながら頭を下げる。
迷惑をかけることは分かってる。
でも、私はこの身を捧げたい。
まだ、煉獄の傍で戦っていたい。
しばらく私とお館様の間に静寂が訪れる。
そして、最初に口を開いたのはお館様だった。
産「顔を上げなさい。」
『…はい。』
顔を上げれば、優しく微笑んでこちらを見つめるお館様。
産「勿論だよ。君の力を、これからも鬼殺隊に貸してくれると嬉しい。他の子供たちには私から説明しておくから、安心していいよ。」
『…!!あ、りがたき幸せ…っ…』
お館様からの許可を頂いた私は、この身体の限界まで柱として生きることを決めた。
杏「麻友!!」
『…!』
屋敷を出ると、煉獄が居た。
私を、待っていたのか…
杏「どうだった」
『このまま居ても良いと、言ってくださった』
杏「それはよかったな!!」
『あぁ。』
お前とまだ戦えることが出来て、よかったよ。
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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時