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第五十五話 ページ11







苦しい





悔しい





私の目の前で、父上が崩れ落ちていく。





嫌だ





私は…っ…





『…!!ここ、は…』





突然景色が変わる。





いつかの森の中。





そして、ここは…





『志雨ぅぅぅうううううッ!!!!!!』





猗「弱い人間は死ね。」





私の弟が死んだ場所。





何度も、何度も…私の家族が死んでいく。





私の目の前で。





私は、ッ…弱いッ…





このまま、この夢の中で……





これも鬼の策略なのか、はたまた私の心の弱さが故なのか…





分からないが、もう現実を見るのが怖い。





これ以上、大切な人を失うところを見るくらいなら…このまま死んだ方がマシなのかもしれないな。





息ができない





底へ底へと沈んでいく。





「駄目だ!!」





『…!』





この声は…





「戻ってこい!!」





『…れ……ゴポッ…ごくッ…』





煉獄の声が聞こえる。





煉獄、私は…夢の中でさえも守りきれなかったんだ。





こんな奴が柱だとは…笑ってしまうよな。





杏「麻友!!」





『…っ!!』





瞬きすると私の目の前に突然煉獄が現れた。





沈んでいく私の肩を掴んで、抱き寄せる。





杏「今守れる人間を守らなくてどうするんだ。今の自分に出来ることをしないでどうする!!」





『ッ…わ…たしは…』





杏「お前がいなくなったら…俺が悲しむ。お願いだから、戻ってきてくれ」





眉を下げ、苦しそうな顔をする。





『ッ…はッ…!』





私は、一体何をしているんだ。





煉獄にこんな顔をさせていいわけが無いだろう。





誓ったじゃないか。





何がなんでも守ると。





私は、雨柱、雨辻麻友。そして、煉獄杏寿郎の恋人だ。





『ッ…負けてたまるか…!!』





杏「首を斬るんだ。そしたら目を覚ます。あっちで待っているから」





煉獄が消えたあと、私は自分の首に刃を当てがう。





煉獄を信じろ。





ここは夢だ。





私は死なない。





『斬れ、雨辻麻友ッ!!!』





グッと刃を押し込み、私は首を斬った。





***





『ッはッ…!!!』





杏「!目を覚ましたか。」





『煉獄…』





目を覚ました私は、煉獄の腕の中にいた。





杏「ん、どうした」





『ッ…煉獄ッ…』





煉獄の胸に顔を埋めると、頭を優しく撫でてくれた。





杏「大丈夫か?」





『…あぁ、もう大丈夫だ。私は負けない。』





私が寝ている間に、事は大きくなってしまっている。





「『行こう。』」

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 炎柱
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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時

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