第七十二話 ページ28
*煉獄杏寿郎side
杏「麻友ッ!!!」
『ぐぇっ…!?』
し「煉獄さん!!麻友さんは重症なんですから乱暴なことはやめてください!!」
目を覚ましたことが嬉しくて、思わず抱きしめてしまった。
そうだ、麻友は重症だった。
杏「大丈夫か!?」
『少し痛むが…大丈夫だ…』
顔を少し上げて問いかければ、うんっと優しい目で微笑んだ。
麻友は、母上のようだな。
杏「っ…遅いぞ…!!」
『…?そうは言っても一日二日だろう?』
麻友は首を傾げ、そう言った。
そうか、麻友はあの日から日が経っていないと思っているのか。
杏「いや、違う。二週間近く眠っていた」
『…!!二週間…』
信じられないと言う顔で目を見開く。
そして庭の方に目を向けた麻友は、しっかりと理解したようだった。
『…待たせたか?』
眉を下げて俺の顔を見る麻友は、とても愛らしい。
待ったさ。
そりゃあもう。
杏「おかえり、麻友」
『ただいま、煉獄…っ!』
頭を撫でてやれば、嬉しそうに飛びついてくる。
杏「っおっと…まだ治ってないんだから無理に動くんじゃない」
『帰ってこれたな』
杏「…!そうだな。」
『逢引してくれるんだろう…?』
約束したもんな、と上目遣いで。
杏「…っっ…そうだな!!行こう!!麻友が目を覚ましたと言えばお館様も少しは休暇をくれるだろう!そしたら…色んな所へ行こう」
『ははっ…楽しみだ』
初めの頃は無愛想だった麻友も、いつの間にか表情豊かになっている。
やはり笑っていた方が愛いな!!
杏「麻友」
『…なんだ?』
杏「良いだろうか」
『ふは…っ…あぁ、良いよ』
麻友の後頭部に手を回し、お互いに顔を近づけると唇を触れ合わせた。
「『愛してる』」
そんな二人の様子を、しのぶによって呼ばれた各々が微笑ましそうに眺めていた。
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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時