第六十六話 ページ22
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杏「麻友はここで待っていてくれ」
『ッい、やだッ…!まだ、戦えッ…ゲホッるッ!!』
杏「ダメだ!!」
『ゔるさいッ!!!ぐ、ッゔぁぁッ!!』
杏「麻友ッ!!」
私は自分の胸に刺さった刀を、勢いよく抜き取った。
ボタボタと血が溢れ出すが、そんなこと知った事っちゃない。
刀が止血の役割を担っているので、本来なら抜いてはいけない。
こんなところ、竈門達には見せたくなかったが…致し方ない。
血が滴る刀を地面に刺すと、私は自分の羽織を脱いだ。
『ッゔッ…は、ぁッ……ッ…はぁッ……』
杏「ッッやめてくれ…ッ…お願いだッ!!」
『お前…一人で、ッッ…行かせるわけ、ない…だろッ…!!』
止血するように羽織をキツく巻き付ける。
これである程度は時間稼ぎ出来るだろう。
杏「麻友ッッ『柱ならば前を向けッ!!』ッッ!!」
『仲間の一人や二人死んだからといって振り返るなッ!!その仲間の分まで戦い抜けッ…!!』
私はなんとか頼りない足で踏ん張り、刃を猗窩座へと向ける。
杏「すぐに終わらせるッ…!!炎の呼吸_奥義ッ!!」
煉獄はゾワりと全身が逆立つ程の闘気を放つ。
ならば、私も
足に力を入れ、深く息を吸う。
今はあいつを倒すことだけを考えるんだ。
『雨の呼吸__奥義__』
猗「素晴らしい闘気だ…っ…それほど傷を負いながらその気迫ッ…!!その精神力ッ!!一部の隙もない構え…!!ははははッッ!!やはりお前らは鬼になるべきだッ!!俺と永遠に戦い続けようッ!!」
暗闇の中、ピンッと糸が繋がった。
赫き炎を纏う紅の糸。
私と煉獄が繋がった。
__行くぞ。
煉獄からそう伝わってきた。
あぁ。行こう。
私の言葉と共に、カッと目を見開く。
__心を燃やせ
己を信じろ
__限界を超えろ…ッ
この身が滅ぼうとも
杏「俺は炎柱」
『私は雨柱』
杏「煉獄杏寿郎ッ!!」
『雨辻麻友ッッ!!』
私と煉獄はお互いに声を合わせ、己を確かめるかのようにそう叫ぶ。
煉獄の隣に並べて、光栄だった。
__俺もだ。だから死ぬな。
『ふっ…』
私は死なん。雨辻の娘だぞ。
__近々煉獄と名乗る日がくる。
全く…本当に都合の良い男だ。
杏「玖ノ型__煉󠄁獄ッッ!!!!」
『拾ノ型__狐嫁の時雨ッ!!』
猗「破壊殺・滅式ッ!!」
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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時