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第五十八話 ページ14








『…!』






汽車の外に出れば、横たわり、腹を押えながら呼吸を繰り返す竈門の姿がある。





やはり無傷とはいかなかったか…





煉獄と私は顔を見合わせると、彼の元へ駆け寄った。





杏「全集中の常中ができるようだな!感心感心」





『その傷、鬼にやられた訳では無さそうだな』





炭「煉獄さん…麻友さん…」





人間にでもやられたか。





あらかた鬼に唆された人間だろうな。





杏「常中は柱への第一歩だからな。柱までは一万歩あるかもしれないがな」





炭「頑張ります…っ…」





『腹部から出血しているな。余計なことを考えずにそこだけに意識を持っていけ』





苦しそうに顔を歪め、呼吸を繰り返す。





杏「血管がある。破れた血管だ。」





炭「はッ…はぁッ…はぁッ…」





「『もっと集中しろ』」





私も会得するまでは辛かった。





痛みと苦しさに耐えなければならなかったからな。





竈門はゆっくりと目を閉じ、集中を始める。





…見つけたか。





杏「そこだ。止血。出血を止めろ。」





炭「くぅッ…ぐッ…ゔッ…」





そんな様子を見兼ねてか、煉獄が竈門の額に指を置く。





杏「集中!」





炭「ぐ、ッ…ぁぁッ…ぐぁッ…はぁッ…はぁッ…はぁッ…!」





止まったな。






『偉いぞ竈門。』






杏「うむ!呼吸を極めれば様々なことが出来るようになる。なんでも出来るわけではないが、昨日の自分より、確実に強い自分になれる。」





炭「…はい…っ…」





竈門の言葉に、煉獄が微笑む。





優しく竈門の頭を撫でた後、私は煉獄と竈門の二人きりにさせようと立ち上がる。






男同士で話すこともあるだろう。





しかし、その瞬間…聞き覚えのある大きな音と共に地面が揺れた。






「『!!』」





霧の中から見える目玉には、





『ッッ!!上弦のッ…参ッ…!!!』





私はすぐに柄に手をかけ、煉獄たちの前に立った。





何故、ここに。





まさか…煉獄を…?





『ッ…させるか…』





煉獄も私の後ろで黙ったまま柄に手をかけている。






目を細めたかと思えば、一瞬にして消える。





くるッ…





しかし、狙いは竈門。





『ッ…!雨の呼吸_ 肆ノ型 暴れ梅雨ッ!!』





竈門の顔に拳が当たる前に、私が斬り裂いた。





私たちから飛び退き、距離をとるとニヤリと笑って腕を再生させた。





相変わらずの速さだ…。





猗「麻友じゃないか。やっと会えたな。』





今度こそ絶対仕留める…

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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時

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