第四十二話 ページ44
*
杏「やっと二人きりになれたな!!」
『もう少し静かにしろ…』
あの後、胡蝶が私たちに気を使ったのか、冨岡たちを連れて部屋を出ていった。
だから今は煉獄と二人きり。
杏「麻友」
『…ん、なんだ?』
杏「…助けに行くのが遅れて悪かった。」
『…気にするな。』
杏「俺がもっと早く来れていれば麻友がこんな目に合うことは無かった」
太ももの上に握りこぶしを作り、悔しそうに目を伏せる。
何をそんな気にしてるのか、
『…来てくれたじゃないか』
杏「…!」
『私が…私が呼んだらすぐに来てくれたじゃないか…。私はそれで満足だ。ありがとう…杏寿郎』
杏「…!!今…」
『な、なんだ…、昔は、こう呼んでいただr「好きだ!!」ッ!?』
思い切り抱きしめてくる煉獄。
衝動的すぎるんだよこいつは…
でも、
『…私も、…す、きだ…』
今だけは素直に。
煉獄の胸に顔を埋め、目を閉じる。
トクトクと煉獄の鼓動が聞こえてくる。
生きている証拠だ。
何事も無く帰ってきてくれて良かった、
杏「麻友」
『…んっ』
名前を呼ばれ顔を上げれば、引き寄せられるように口付けをされる。
杏「そろそろ俺のものになる気になったか?」
『さぁな』
杏「まだか!!」
『う、っるさい…お前はもう少し雰囲気というものをだな…』
杏「焦らす麻友が悪い!!」
『ふはっ…そうだな?』
杏「…全く、君は困った子だ。」
私がいつも竈門たちに言う言葉。
確かに私も困った子、かもしれないな。
『…無事で、良かった…』
ギュッと羽織を握り、泣きそうになっている私に気づいたのか、子供をあやすような手つきで背中を叩いてくれる。
杏「このまま少し寝よう。ずっと気を張って寝れなかったんだろう?隈が出来てしまっている。」
もっと近くで見てやれればよかった…と呟く。
『ん、…それも、そうだが…も、しかしたら、れ、んごくが…帰っ……てく、る…と……思っ……』
ここ数日喜怒川のせいでろくに寝れなかったのは事実で、私の体力は限界だった。
煉獄の単調な手の動きに、どんどん瞼が落ちていく。
起きたら…煉獄のために、芋をこし、らえよう……
今は…寝かせてくれ…
杏「ッはぁ……また俺の心を惑わせるようなことを言って…。どれだけ好きにさせたら気が済むんだ。」
そう言いながら麻友に口付けた。
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時