第二十九話 ページ31
*
私と不死川の間に静寂が訪れる。
あぁ、余計なことを言ってしまった。
『悪い。さっきの言葉は気にするn「チッ」!?』
しまった…怒らせてしまったか…?
いや、待て。どれだけ私のことが嫌いなんだ。
嘘でも言われたくなかったっていうことか。
それはそれで傷つ__「…かよ」
『え?』
実「それ、本気で言ってんのかァ?」
『ほ、…えっ…いや、なんと言うか…』
不死川の鋭い目に射抜かれて身体が硬直する。
『ぅぐっ…!?』
突然胸ぐらを掴まれ、グイッと不死川との距離が縮まる。
実「俺、本気にすんぞ。」
『っ…し、なず……が、わっ…?』
実「我慢してたこっちの気も知らねェでよォ…テメェは。」
大きくため息をこぼすと、また舌打ちをする。
我慢、とは一体どういう…
実「俺を好きになれば良かっただァ…?なら、させてやろうか」
『っっ…!!』
不死川の顔が徐々に近づいてくる。
待て、流石にまずい
これ以上は…っ
『だっっ…めだ!///』
不死川の胸板を押し、顔を背けた。
これ以上してしまったら…絶対にいけない。
煉獄のことも、不死川のことも…汚してしまう。
実「はぁ…。しねェよ。冗談だ。」
『じ、冗談か……』
ほっと胸を撫で下ろす私に「口付け”は”冗談だ」とボソッと呟いた。
口付け”は”…?
驚いて不死川の方に顔を向ければ、私の反応を面白そうに見て笑っていた。
実「今日は帰れ。送ってやる」
『あ、…あぁ…そう、だな…』
何事も無かったかのように不死川は態度を変え、私を屋敷の外まで案内してくれた。
その間私はずっとモヤモヤしたままで、
不死川の言葉の意味を理解してはいけない気がして…
なんとも言えない気持ちになった。
屋敷の門まで来ると、背後からふいに名前を呼ばれた。
『なんっ…だ…』
不死川の顔を見ようと振り返った瞬間、私は不死川の腕の中にいた。
な、何が起こって…
実「…俺は本気だからなァ?覚悟しとけェ」
額に柔らかい感触と、ちゅっという音と共に不死川は離れた。
『へ……っ…今何…を』
実「おら、帰れ。」
背を押されて、私は強制的に不死川の屋敷から出される。
自分の屋敷へ帰る道中、額を擦りながら何が起こったのかを冷静に考えていた。
これは…色々まずいぞ…
全てを理解した私は、顔を赤らめ走って屋敷へと戻った。
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時