第十二話 ページ13
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猗「何だこの見るからに弱そうな小僧は」
『ッ志雨、何故出てきたッ!!!』
私の前に立ち、小さな背中で私を守ろうとしている。
志「っこ、これ以上っ…姉上が傷つけられるとこ等見たくありませんっ…!俺も父上の息子です…っ!雨辻の立派な息子です…っ!!姉上を守れないなんて父上に叱られてしまう…!」
震えて上ずる声でそう叫ぶ志雨。
違う、違うんだ志雨…っ
お前がいなくなったら、私は一人になってしまう…
大切な家族なんだ、弱いとか…強いとかじゃないんだよ…っ
猗「俺は弱い奴が死ぬほど嫌いなんだ。お前は邪魔だ。ここで死ね。」
『ッ…させるかッ!!!雨の呼吸_肆ノ型 暴れ梅雨ッ!!!』
アイツが怯んだ瞬間志雨の腕を引き私の後ろに隠す。
猗「何故弱い奴を庇う。邪魔なだけだろう?俺たちの戦いに支障が出る。」
『何を言う…ッ…私の弟に手を出そうものならお前のその身体、八つ裂きにしてやるッ!!!』
私の背中で震える志雨。
私のために、頑張ってくれた。
それだけで十分だ。
『志雨、離れていなさい』
志「ッい、やですッ…!」
『お願いだからッ!!!姉上の言うことを聞いてくれッ!!!』
志雨の肩を掴んで必死に訴える。
志雨にここまで声を荒らげたのは、初めてかもしれない。
でも、それほど今は危ないんだ。許してくれ。
涙をうっすらと浮かべ頷くと、志雨は物陰に隠れた。
『…これで満足だろう。』
猗「お前は甘いのだ麻友。弱い奴のために戦って何になる。お前は何を得る?」
根本的にコイツらと思考が違う。
『何を得るだとか、何になるだとか…そんなくだらない事のためにお前らと戦ってる訳では無いッ!!大切な人を守りたい、ただそれだけだッ!!!雨の呼吸_参ノ型 凍雨!!』
猗「ぐァッ!!」
頸に入ったッ!!
後はこのまま押し込むッ!!!
猗「くッ…!!破壊殺・脚式・飛遊星千輪ッ…!」
近すぎて防げな…ッ…
『ゴフッ…!!アガッ…ッ…!!』
綺麗に腹に入った。
吐血が止まらない。
視界までチカチカし始めて…
力が緩んだせいで、日輪刀が頸から外れた。
そしてそれを狙われ、更に追い打ちをかけるように蹴り飛ばされ、幹に背中を打ち付けた。
『ぐッッ……はッ……はッ…ぁッ…』
猗「鬼になれ!そのままでは死んでしまうぞ!」
『お、ッ…にになる…くら、いなら…ッ…このままッ…』
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時