6. み ページ6
あぁ、嫌われるのはいやだなぁ。
黙って二人で歩く朝。
何も言葉をかわさずに一日が終わって、また一日が終わって、終わって。
Aの声はもう3日は聞いていない。俺に向けたその声はまだ。
｢俺は、好きだけどな｣
言えばよかったのか。それで、あいつは俺から離れていくんだろうか。
元気ないけどどうしたの轟くん、と緑谷が話しかけてきた。
心配そうなその目にすこし申し訳なく思う。
……ついでだ。少しAの事について聞いてみよう。
｢なぁ、夢宮のことについて何か知ってるか？｣
｢え、夢宮さん？｣
腕を組んで片手を顎につけて考えるポーズの緑谷。ほんとに考えているようで、心当たりはないようなそんな感じ。
知らないならいいんだ、と礼を言った。
ごめんね役に立たなくてと緑谷が麗日と飯田のいるところに戻る。
あ、そうだ轟くん、と緑谷が戻ってくる。
｢まぁ僕がメモってるだけのことなんだけどね、ほかのみんなと比べて夢宮さんだけ情報が少ないんだ。｣
｢情報？｣
｢うん。個性の弱点とか、強いところとかまとめてるんだけどね、夢宮さんの個性、あまりわからなくて｣
ちらりと1人意識がどこかに行っているAを見る緑谷。
個性使う見たけどよくわからなかったんだ、と言った。
Aの個性は再生。
少し力を使ってしまうが触れた者の時間の再生もできるから、触れてしまえば相手の個性を使う前に戻してしまうことができるし、自分の傷も治してしまう。いわばチート個性。
｢夢宮の個性って再生だろ？｣
｢え？何言ってるの轟くん。夢宮さんの個性は夢魅だよ。相手に夢を見させる個性。｣
｢……は？｣
轟くん疲れてるの？と心配された。
なら、俺といる時のあれはなんだ？
俺は見た。
じゅくじゅくと生々しく戻っていく皮膚も、青紫になっていた縄の後が戻っていくのも。
｢でも凄いよね。夢宮さんの個性、戦闘型じゃなのにどうやって受かったんだろ…聞いてこようかな…｣
じくりとどこかが傷んだ。
ブツブツブツと呟きながらふらふらどこかに行った緑谷。
ずっと前を向いていたAがちらりとこちらを見た。
なにが、おかしいんだ。
それが、わからない。
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緋色 - 他の読んだことのない作品、全て読ませていただきました。切なく美しいオチの作品ばかりで思わず涙腺緩みました…これからも頑張ってください！！ (2018年10月5日 22時) (
レス) id: 04ecd32bcd (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます！！来世で結ばれますように！！ファンなんて…！！！感謝感激です！！よろしければ他の作品も読んでみてくださいね！ (2018年10月5日 11時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - こんなに素晴らしい作品をありがとうございます…夢主と轟くんが来世で結ばれることを祈っています！これからも頑張ってください！！大大大ファンになっちゃいました…これからもにゃんさんの作品を楽しみにしています！！！これからも頑張ってください！！！ (2018年10月4日 23時) (レス) id: 04ecd32bcd (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 分かりやすく説明してくださりありがとうございます！意味が分かりました！切ない話ですね…夢主は自分の身を犠牲にしてまで轟くんを助けたかったんですね…意味わかった瞬間泣いちゃいました…占ツクでこんなに泣いたの初めてです… (2018年10月4日 23時) (レス) id: 04ecd32bcd (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - なれた。好きな人を、轟くんを守ったヒーローになれたと、伝えました。。こんなところでしょうか。知りたいところが違ったらすみません！また教えていただけたら説明いたします！ファンだなんて！！ありがとうございます！！ (2018年10月4日 22時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年6月23日 20時
