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ガヤガヤと騒がしい病室。
｢先生！轟さんが目を覚ましました！｣
｢本当か！すぐにいく！｣
｢焦凍、焦凍！｣
耳をすませばすぐにわかるけど出来事。
私のターゲットが目を覚ましたのだ。髪色の白と赤の青年。
両足に包帯を巻かれ、一昨日の夜、手術が終わり、今目覚めたと。
この青年、轟焦凍というらしい。
24歳、ヒーロー。ヒーロー名はショート。人気ヒーロー、エンデヴァーの息子でイケメンだと人気らしい。
そんなことを書いてある名簿を見ながら、目を覚ましたことに喜ぶ友人や家族を部屋の角で見ていた。
……死期の近い者には私は見えない。
ただ、轟焦凍には私が見えるかもしれない。轟焦凍が私を見つけたとすれば、そういうことである。
大体の診察が終わり、個室に運ばれたは彼。
友人達はまだ彼の近くにおり、涙ぐむ者や嬉しそうに安心する者が多々。
傍から見ている時、不意に1人の女子がこちらを振り向いた。
｢あら、どうしたのお茶子ちゃん｣
｢いや？なんか変な感じがして…なんもなかったみたい｣
変に勘がいい人は希にいる。
…私が見えたところでどうにもならないし。
驚き、恐怖し、意味を知れば泣き叫ぶ。そういうものではないだろうか。
起きたばかりの彼はすこし嬉しそうにしながらも友人達と過ごす時間を幸せそうにしていた。
その光景をみながら角にある椅子に座った。
みんなが帰った後、家族だけになる病室。
私、お邪魔。
｢焦凍の携帯ね、粉々になっちゃってたから明日契約してくるよ。データ飛んじゃうけど大丈夫？｣
｢あぁ、大丈夫。ありがとう｣
そんな会話。
怪我をした弟を気遣う優しい姉と、側で黙って見守る父親。仏頂面だが、時に見せる心配と優しさだろう。
そんな微笑ましい光景の中、ぎり、と布団を握る轟焦凍の手が見えた。
悔しい。多分、そんな感情。
必要なものと食べたいものを聞いて、家族は帰っていった。
彼一人の病室。否、私もいるけど。
ヒーローショート。
何度か聞いたことのある名前だけど、どうやっても思い出せない。関わりがないのか、興味が無いのか、それすらもわからない。
彼は深く、ため息をついた。
明日、診断結果が知らされるらしい。
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にゃん(プロフ) - だんごさん» 閲覧ありがとうございました！そう言ってもらえると書いたかいがあります！！自分でも納得のいく最後がかけてよかったと思います！新作は考えております！良ければ次もよろしくお願いします！閲覧ありがとうございました！ (2018年2月8日 20時) (
レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - 大好きでずっと読んでいたて、凄く切なくて美しいオチでうるうるきてしまいました。にゃんさんの言葉の回し、文など読みやすくて好きです…！もし新作を書くのでしたら、次のも楽しみにしています！本当に完結おめでとうございます！(´｡･v･｡｀) (2018年2月8日 16時) (レス) id: f79547a215 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - まこさん» ありがとうございます！ゆっくりと急展開もなく進んでいるこの小説ですが、よければ最後までお楽しみください！頑張ります！ (2017年12月11日 6時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - スッゴいいいです！頑張ってください (2017年12月10日 4時) (レス) id: 6c7b80997e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ネネさん» ありがとう〜！！泣けるかわからないけど頑張ります！！！！これからもよろしく！！ (2017年10月19日 19時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年10月13日 20時
