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「犯人は逃走中。被害者はまだ意識不明、その子供はまだ未成年。自宅での療養は危ないと」
「犯人がいつAちゃんを襲うかわからない。逆恨みで襲うかもしれないし、まだ高校生だからアパートも借りれない。親戚も近くにはいないらしいし」
「そうね…官舎に泊まれるかを上と相談してみる。その間は私の家でも良いんだけど」
資料を見ながらも、桔梗は顔を顰めてしまった。見知らぬ人の家で療養になるのかと。
「志摩はどう思う?…志摩?」
伊吹に肩を叩かれてハッと我に返ると、伊吹の顔を見た。犯人を捕まえられなかったのは、自分のせいだと責めていた。Aを安心させて、任務を遂行しようとしていたのに…
「全部、俺の責任です。俺に責任取らせてください」
そう言ったのだが、桔梗は唖然とし伊吹は笑いを堪えている
「隊長、志摩の家でいいんじゃないですか!?なんか、知り合いみたいですし!」
「……志摩、言っとくけど手を出したらわかってる?」
桔梗の睨み、伊吹の笑いを堪える顔。そこで志摩は気づいた
気まずい空気。Aは桔梗から話を聞いて頷いたそうだ。車の中で微妙な空気が流れている
Aには話したのだ、犯人は捕まえられなかった自分の責任だと。
Aは優しく志摩に、気にしないでほしいと言ったのだが、その後は二人とも無言だった
志摩も何も話せないまま、運転をしていたのだがAの荷物の少なさに気がついた
「何か買っていく物とかありますか?」
『いえ、大丈夫です』
志摩の方を向いて言うと、すぐに外を眺めた
気まずいと思いながらも、Aの荷物半ば無理矢理運んで家へと案内する
家は男性の割には片付いており、きちんと整理整頓されていた。テレビの下の棚には、洋画が並べられていて志摩の趣味がわかった
「寝る場所、ここ使ってください」
『志摩さんが寝れないんじゃ』
「俺はソファでも寝れますし、非番じゃないとここで寝ないんで」
それに、と付け加えるように志摩はAに言った
「こんなおじさんと、同じ部屋は嫌でしょう」
『…志摩さんはおじさんじゃないです』
ふとAを見れば、恥ずかしいのか斜め下を向いて頰を赤く染めていた
「Aさん………あ、風呂場なんですけど」
誤魔化すように志摩は風呂の説明や、洗濯の説明をした。ご飯はどうするのか、掃除はどうするのかと話し合う
Aは心の中で、新婚さんみたいだと思ってしまった
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黒万ス(プロフ) - seaさん» ご心配おかけしてしまいました…。復元により戻る事ができました!! (2020年9月24日 21時) (レス) id: 157648a083 (このIDを非表示/違反報告)
sea(プロフ) - お初にコメントします。 バグ解決されたようで良かったですね、私は以前戻らなかった事があったので大丈夫かなと勝手に心配しておりましたが、安心しました! (2020年9月24日 15時) (レス) id: 191a0b574b (このIDを非表示/違反報告)
黒万ス(プロフ) - 結さん» 誤字の指摘ありがとうございます! (2020年9月24日 7時) (レス) id: 157648a083 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2020年9月24日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 16のここの台詞 『志摩さんが出勤するまででいいので…少しだけでお家デートして欲しいです』 これ正しくは少しだけお家デートして欲しいですではないんでしょうか? (2020年9月24日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒万ス | 作成日時:2020年9月14日 22時