13 少しだけ ページ13
［警視庁から各局へ 文京区内で強盗致傷事件発生 犯人は逃走中との模様。至急、近くにいる隊員は応答願います］
「こちら機捜404、直ちに向かいます。どーぞ」
パトカーのランプを出し、他の車両に注意しながら現場へと向かった。
そこは住宅街だったが、争った跡であろうか、玄関のポーチに観葉植物の葉が散らばっていた
志摩は玄関の表札を見て、足を止めてしまう。後ろにいた伊吹が志摩に声をかけた
「志摩？どうした？」
「いや、なんでもない」
志摩はこの時、嫌な予感が当たらないでくれと必死に願っていた。
しかし、その予感は当たっていた
「家に帰宅したところ、両親が倒れていて犯人の男と鉢合わせしたようです。犯人は慌てて、花瓶で抵抗し逃げていったと…」
彼女と言うのは婦警に背中を摩られているAの姿だった。
「彼女の怪我は？」
「花瓶を投げつけられましたが、鞄で防御したようです。無傷ですが、精神的にダメージを受けています」
Aは震え俯いていたが、二人の足元が見えたため見上げるようにして顔を上げた
「第4機捜の志摩です。Aさん、今辛いのはわかります。少しでもいいので、犯人の情報を教えてくれませんか？」
『…はい』
伊吹気づいたようだった。Aの制服姿や、少し空いた距離感。だが、私情を持ち込めないのだと少し離れた場所でAの話を聞いていた
『犯人は真っ黒な服を着ていて、男性でした……革の鞄にたぶんお金を入れてるんだと思います。私に花瓶をぶつけた後、帽子が脱げたんですけど、長髪の人でした…私が、覚えているのはここまでです』
俯いてしまう。僅かに手が震えていた。冷静に言えていても恐怖が込み上げてきたのだろう
「Aさん」
震える手に志摩は自分の手を重ねていた。自分よりも小さな女の子らしい手を包み込んだ
「よく、覚えててくれた。怖かったでしょう……俺たちが必ず捕まえます」
切長の目がしっかりとAの目を捉えていた。
安心感で、Aは涙を溢しながら志摩の名前を呼んだ
『志摩さんっ…怖かった…』
今は手しか繋げない。安心させてあげたかった、このまま腕の中で抱いてあげればもっと安心させてあげれた。
そう志摩は思っていたが、犯人の追跡に当たる。
必ず捕まえると
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 382人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒万ス(プロフ) - seaさん» ご心配おかけしてしまいました…。復元により戻る事ができました！！ (2020年9月24日 21時) (
レス) id: 157648a083 (このIDを非表示/違反報告)
sea(プロフ) - お初にコメントします。 バグ解決されたようで良かったですね、私は以前戻らなかった事があったので大丈夫かなと勝手に心配しておりましたが、安心しました！ (2020年9月24日 15時) (レス) id: 191a0b574b (このIDを非表示/違反報告)
黒万ス(プロフ) - 結さん» 誤字の指摘ありがとうございます！ (2020年9月24日 7時) (レス) id: 157648a083 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2020年9月24日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 16のここの台詞 『志摩さんが出勤するまででいいので…少しだけでお家デートして欲しいです』 これ正しくは少しだけお家デートして欲しいですではないんでしょうか？ (2020年9月24日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒万ス | 作成日時：2020年9月14日 22時
