検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:99,905 hit

最終話 Your side ページ31

.



.



Your side



だいぶ走った。



もう夕日は沈みかかっていて



自分の足の遅さが嫌になった。




やっとの思いで学校に着いて、



教室を覗くと、そこにはタクトがいた。



夕日がタクトを照らしていて綺麗だった。





タクトも私に気付いたようで




「おー、Aか。やっほ!」






引きつった笑顔でタクトは言ってきた。




「ごめん…」




私はそれしか言えなかった。

タクトを見ていたら悲しくて、

罪悪感で押し潰されそうになって、



そのばに座り込んで泣きじゃくった。





「泣かないでよ」




タクトは私の背中を優しく撫でた。




「私ね、私、タクトに初めて会った時は
チャラい人だなって思ってて、でも、
席隣になって、一緒に学校行って、
一緒に笑って、一緒に喋って、タクトと
いると、時間が短くなって……」



今の私は黙る事を知らない。



タクトはそんな私の話を俯きながら聞いている。





「タクトは人気者だしかっこいいし
私はタクトに釣り合わないって分かってる。
分かってるけど……でも 私!」






やっと言おうと思ったその時




「俺さ、最初お前に会った時
なんだこの無愛想な女って思ったの。
でも、話してくうちに面白いAも、
可愛いAも、怖いAも、
色んなAが見れて凄い嬉しかった。」






タクトは私の話を遮るように言う。






「Aが俺に冷たくなったの一瞬だけど
すげー長く感じた。それぐらい
Aの事好きなんだよ。

俺、女遊びやめるし、嘘だってつかない。
Aの事だけを愛し続ける。
だから、こんな俺でもよかったら
俺と付き合ってください。」






タクトは嘘のない真っ直ぐな言葉と
真っ直ぐな目で私に言う。






私は迷う事無く









「もちろん!」





そう言って私達は抱き合った。





.









.









ありがとう、タクト。



私に優しさを教えてくれて





私に笑顔を教えてくれて





私に愛情を教えてくれて。






fin.

最終話 Takuto side→←第30話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
89人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いっけー | 作成日時:2016年8月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。