第27話 ページ27
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Your side
カーテンから朝日が覗き込む
綺麗な朝。
いや、憂鬱な朝。
なんでそんな気持ちなのかって言うと
タクトと喧嘩⋯というか私がタクトに
生意気な態度をとって
ちょっと気まずくなっている。
でも、一緒に行くことになって
こんなブルーな気持ちなわけ。
“学校行きたくない。”
そう言った私にお母さんが
「何言ってるの!早くしなさい!」
そう叫んだから私も気が引き締まって
10分で準備した。
準備が終わってくつろいでいると
インターホンが鳴った。
「おはよ、A。」
「おはよう、タクト。いこっか」
私とタクトは肩を並べて歩き出した。
「体調⋯大丈夫?」
タクトが恐る恐る聞いてきた。
「大丈夫だよ。ごめんね、ありがとう。」
私は素っ気ない返事をした。
しばらく無言で歩いた。
「きゃー!タクトせんぱーい!」
タクトのファンが叫んだ。
「おはよ、みんな!」
タクトは元気いっぱいで叫ぶと
「今日も大好きです!」
ファンは言った。
「俺もだよー!ありがとう!」
タクトの言葉にはやっぱり嘘はない。
でもその嘘のない言葉が私を傷つけていく。
「私先行くね。みんなと楽しんで。」
そう言うとタクトの表情は曇って
「え、でも⋯」
タクトは何か言おうとしたけど私は遮って
「じゃあね。」
そう言って歩いた。
やっぱり遊びなのかな。
でもタクトは私の事好きって言ってないし、
私がちょっと気になって舞い上がってただけ?
色んな事を考えていたら涙が出てきて
でももうすぐバス停だったから
涙を拭ってみんなの所に行った。
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作者名:いっけー | 作成日時:2016年8月19日 18時