人殺しと呼ばれたアメリカ帰りの天才を優秀と野犬は好きになる MIU404 パート2 (ページ22)

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〜志摩〜

業者が帰ると、一度切れた伊吹からまた電話がかかってきた

伊吹《今すぐ来い。事件のビル。香坂のビル》

志摩《何で？》

伊吹《いいから来い。来ないとお前は後悔する》

志摩《はぁ？な……》

切りやがった

行くとは言ってないだろ

行くなんて……

家の中に戻ろうとすると、後ろ髪を引かれるように足が動かなくなる

後悔……そんなもの、もう充分だ

急いでビルに行き屋上まで上がると、ちょっとカッコつけた伊吹が路線の向こう側を指差した

向こうは世田谷区区境になっててこのビルとは管轄が違う

伊吹｢俺はすごいことに気付いた。あの日、香坂ちゃんはここで志摩を待ってた。だが、いつまで経っても志摩は来ない｣

コイツは人の傷口を抉りたいのか

伊吹｢仕方なく景色を眺めて……見つけた。犯罪の瞬間を｣

志摩｢何だその作り話しは｣

伊吹｢作ってない。マジの話し｣

志摩｢証拠がない｣

伊吹｢ギャフンと言わせんぞ。いや、ギャフンと言え。今すぐギャフンと言え。証拠はある。あそこ｣

正面のマンション

ベランダには貼り紙掛けられていて、そこに書かれていたのは……

香坂が死んだ日死んだ時間に110番通報した人を探していると

あの部屋を見るなら、確かにここしかない

伊吹｢通信指令本部に連絡して当時の記録を、ほら見つけた。2013年8月8日。深夜2時7分入電｣

そこには確固たる証拠が存在していた

被害者のマンションに訪れた

千春｢110番してくれたのどっち？｣

志摩｢俺の相棒の刑事で。職務上、名前は明かせませんが今はここにはいないんです｣

女性は本当に香坂に感謝していた

通報がなければ女性も、お腹の子供もこの世に存在していなかった

千春｢その人にくれぐれもお礼言っといて下さい。貴方のおかげで元気でーす｣

志摩｢必ず伝えます｣

一度は間違った香坂は、二度と間違えないように警察官で在った

志摩｢ずっと来られなくてごめん。お前を弱い奴だと思った。刑事に向いてない弱い奴だって。だけど俺はあれからウイスキーが飲めない。俺も大概弱かった｣

座って、そこにいる香坂に語りかける

志摩｢今、機捜でホシを追ってる。彼らに偉そうに言葉をかける。その度にもうすっげぇブーメラン。俺にそんなこと言う資格はあるのか？俺こそ裁かれるべきなんじゃないか？……お前の相棒が伊吹みたいな奴だったら生きて、刑事じゃなくても生きて、やり直せたのにな。忘れない。絶対に忘れない｣