人殺しと呼ばれたアメリカ帰りの天才を優秀と野犬は好きになる MIU404 パート2 (ページ18)

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〜伊吹〜

伊吹｢で、その毒殺女が逮捕された事件と香坂の死が関係あるってこと？｣

九重｢2人は南田弓子を追っていた｣

伊吹｢追ってた｣

九重｢その捜査過程で何かがあって｣

伊吹｢何かがあって｣

九重｢決定的な諍(いさか)いを起こし｣

伊吹｢諍いを起こし｣

九重｢屋上から突き落としてしまった｣

伊吹｢ダメじゃん！もう殺しちゃったじゃん、それ｣

九重｢だからその可能性は捨てきれませんよ｣

伊吹｢志摩は屋上には行ってないって言ってんだぞ。ね、朝になって陣場さん達が来てから屋上に上がったって｣

九重｢それが嘘かもしれないじゃないですか｣

伊吹｢うっわ。そっから疑う？｣

九重｢前に志摩さんが言ってたんですよ。人は誰でも何かのスイッチで進む道を間違えてしまう｣

九ちゃんが言ってるのはイタズラ通報が頻繁に起きていた、あのときのこと

九重｢志摩さんは道を踏み外してしまった。何かのスイッチで｣

伊吹｢ねぇーー、Aちゃんもそう思う？｣

｢……え？あ、うん。え？ごめん。聞いてなかった｣

伊吹｢ええー、ちょいちょいちょい。志摩の疑いを晴らせるかどうかの瀬戸際なのよ。お願い、力貸して。ね？｣

｢情報が足りない。今のままじゃ、本当のことなんて分かんないよ。誰にも……分かりはしないんだ。どうせ。“何も言えないから”｣

やっぱ本人に聞くしかないのか

悩みながらも電話をかけると出た

伊吹《志摩？志摩ちゃん。あのね。陣場さんが朝4時になると靴脱ぐんだって。それが臭えんだって。フフ。で、九ちゃん。言えないのそれ。酒の誘いは断れんのに足が臭えって言えないの》

九重｢もうよかです｣

伊吹《分かんないよね。若者、分かんないよね》

志摩《楽しそうで何よりだ》

あ、切られた

つか、何か食ってたな

伊吹｢何だよアイツ｣

九重｢いきなり電話するからですよ。また直接志摩さんに、相棒殺したのかって聞くつもりだったんですか｣

そんなつもりはなかった

ただちょっと、話しを聞きたかっただけ

伊吹｢聞いて、あぁそうだ、って言われたら怖ぇな｣

直接殺してなくても、その自覚があるだけで、志摩は人殺しになる

陣場｢手紙があったんだよ｣

伊吹｢陣場さん？陣場さん。陣場陣場陣場陣場！｣

陣場｢香坂の最後の｣

寝起きからハッキリ意識を取り戻した陣場さんはまた眠ろうと横になる

九重｢最後の手紙？……遺書？｣