風が吹いて

消去 ページ6

「さて、これからどうしたものか。」


私は今、あの大通りから数歩進んだところで見つけた

公園のベンチに腰掛けていた


おそらく、ここは何十年か前の日本で私はタイムスリップというものをしてしまったのだろう


取り敢えずこのことを受け止めて、ここでどうやって生活していくか冷静に考えないといけない


幸いなことに、フリランをするときにいつも使っていたリュックも一緒にきたらしい



「まずは持ち物チェックしないとね。」



周りを見渡して誰もいないことを確認し、バックを逆さにしてベンチの上に中身を落とした


中身は、フリランの際に持ち歩いているミネラルウォーターとタオルが二つ、


スマートフォン、予備のマイクロカード、財布、そして先程貰った今日の朝刊


財布の中身は英世さんが５枚と小銭が少々、それと身分証明書が入っていた


まぁ、タオルはいいとして...




「他はちょっとまずいよね。」


おそらく、スマートフォンはこの時代にはまだ開発されていないだろうし、


ミネラルウォーターに付いているラベルに書いてある会社名などを見られるのは危険だ




消しておかないと








近くのごみ箱の中を見るとマッチの箱が捨てられていた


どうやらまだ中のマッチ棒も使えるようだ



公園の裏にあった茂みへと足を進め、適当なところに火をつけた


その火の中に身分証明書などをを投げ入れていく









が、問題発生



手の中には、現在私を困らせているスマートフォン


その画面には、元の世界での友人や家族ととった写真の数々





これらを全てゴミ箱に移し、データを削除してしまっても


何らかの形で復元させることができる


私にも








おそらく、この時代のお偉いさんにも

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