story49 ページ50
***
「話って？」
「あぁ、母さんの事なんだ」
お父さんの隣に座り込んで話を聞く。
「実は母さんはね、昔親に裏切られた事があるんだよ」
「…」
「母さんの家は貧乏でもなければ裕福でもない普通の家庭だったんだ」
「…」
「でも、ある日母さんが家に帰宅すると、そこには誰もいなかったんだ」
「！？」
「手紙が1通置いてあってね…1人で頑張りなさいって書かれてあったんだってさ」
「そんな…」
「それが丁度中学生になったばかりの頃でね…それを知った友達は母さんの事を非難したんだ」
「っ…」
「深く傷ついた母さんは、学校にすら来なくなったんだ。ある情報では、学校辞めたー、なんて事も聞いたかな」
「お母さんが…」
「それからしばらく経った頃かな。母さんは水商売に溺れていてね…とても学生とは思えないような姿だったよ」
「…」
「男に溺れ、酒に溺れ、金に溺れ…でも、愛には飢えていたんだ」
「でもお母さん…学生時代の話とかするよ？」
「Aを安心させる為の嘘だよきっと。母さんは見た目も可愛いけど頭も切れる人だったからね」
「まじか」
「うん。それで、俺が高校3年の冬にだったかなぁ…無理やり母さんから水商売の道を奪ったんだ」
「え、お父さんが？」
「えへへ。こう見えても昔は結構ヤンチャしてたんだ」
「意外…」
「まぁ、でも…母さんも簡単には引き下がらなくてね…？隙あらば水商売に戻ろうとしてね。もう喧嘩しまくった記憶しかないな…」
「でもなんでお父さんがそこまでする義理があるの？」
「え？だって…俺はちっちゃい頃から母さんが好きだったからね。誰にも譲りたくなくて」
「お、男前…！！」
「ふふふ。だから、俺は母さんを嫁にするってずっと決めてたんだ」
「なるほどね…」
「だから何回母さんに拒絶されようとも諦めないで頑張ったんだよ」
「うん」
「そうこうしてる内に俺らも20代になってね…母さんもようやく普通の仕事に就く事が決まったから2人して大喜びしたんだ」
「ふふ、可愛いっ」
「だろ？その時の母さんってばも〜可愛くて可愛くて、あんなにはしゃいだ笑顔見た事無かったからね？俺、嬉しさのあまり母さんにプロポーズしたんだよ」
「お父さんすご！！」
***
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ロキ(プロフ) - 読者様方コメントありがとうございます！！更新が遅れてるせいでコメ返しも遅れてしまいホントに申し訳ないです(´×ω×`)皆さんのコメントや応援を糧にこれからも更新頑張りますので、続編の方もよろしくお願いします！！！ (2016年11月14日 22時) (
レス) id: 17622c5bd0 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 新シリーズおめでとうございます！なんとも言えない距離感がもどかしくていつもワクワクしながら拝見させていただいております。これからも更新楽しみにしてます。 (2016年11月7日 23時) (レス) id: 77fd8cb64d (このIDを非表示/違反報告)
つき - お父さん、ほぼ勢いでプロポーズしてますね！なんかカッコイイ！！ (2016年11月5日 23時) (レス) id: a9dccf57dc (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ - 真緒の事好きではあるけど 真緒と晃牙は花粉症だから二人が嫌いくしゃみでCO2倍出るしティッシュ使い過ぎで森林伐採されて環境破壊になるから許せない私植物達が友達だから (2016年10月23日 14時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
小鳥(プロフ) - 新シリーズおめでとうございます！！！これからもがんばってください！！楽しみで夜も眠れません！ (2016年10月17日 18時) (レス) id: 1f7ffb3c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロキ
| 作成日時：2016年10月16日 22時
