続々々・妄想短編集【ジョーカー・ゲーム】

佐久間・小田切：転生逆行４ ページ14

《小田切side》


「＿＿以上のことから、今回の件は野上百合子の犯行と思われます」


「……異論は」



「ありません」

「特に」

「問題なし」

「まあいいんじゃないですか？」



「ではこれを上に報告する」




張りつめた空気が解ける。


心の中でほっと息を吐き、俺は考える。




＿＿犯人が、安原ミヨ子ではなく、野上百合子になっていた……。





「風が吹けば桶屋が儲かる、か」

「何かあったのか？小田切」


「いや、事が予想外の方向に進んだものだから、

　少し考えていたんだ」


「で、風が吹けば桶屋が儲かると」

「ああ。そういうことになった」




この頃になると、俺は福本といるようになっていた。

一応ここでは『寡黙』で通している俺が、

最もボロを出しにくいと判断したからである。


だって中身平成の大学生だぜ？いや、うん。

普通にテンション上がることくらいあるし。

ヤバい時は普通にヤバいって言いそうになるし。

でもそんな言葉今無いし。ということを思い出して俺と佐久間で

「ヤバいな」「うん、ヤバい」と言葉を交わしたのが半年ちょっと前。




「……いつも思うのだが」

「なんだ？」




「小田切と佐久間は、どことなく似ている、ような気がする」

「気のせいだ。だが、どの辺が？」


「考え方の、進み具合というか、民主主義への偏り度合いとか、だな。

　あと偶に言葉遣いの時代を間違っている気がする。

　二人だけ未来から来た感じだ」


「仮説としては面白そうだな。逆行」


「所詮フィクションだがな」




ふぅ……やっべぇ。


表情に出るかと思った。よく頑張った俺の表情筋たち。



あと、ノンフィクションだから。




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スーパー行ったら、パンのコーナーに【シベリア】の文字
支部の小説で、時系列的にあの辺のだって知ってた作者は
物凄く思い悩んだあげく買いませんでした
だって高かったんだもん……

みよおだ：短歌→←ふくさく：甘い甘いあれ

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