続・妄想短編集【ジョーカー・ゲーム】

はたじつ：任務 ページ46

《波多野side》


＿＿目が、笑ってねえよ実井……。



目の前で料理に舌鼓を打っているのは、

大人らしさはありながらも茶目っ気と愛嬌たっぷりな淑女、

『明松 雪枝(かがり ゆきえ)』。


そして俺はそれをにこやかに見つめながら料理を口に運ぶ、

とある企業の事務員、『明松 稔(かがり みのる)』。


二人は夫婦であり、仕事の都合で最近こちらへ越してきた、

近所でもそれなりに名の知れたおしどり夫婦である。



……というのが、今回の俺たちのカバーだ。




身長的に無理があるというのは、

誰かしらが疑問に思ってしまうことだが、それについては問題ない。


実井が常に腰を落としているのと、俺がシークレットブーツで底上げしているからだ。



……まあそれでも実井の身長は女性にしては大分高いのだが。

そこはまあ、スパイの手腕により目立たなくなっている。





今回の任務は、軍関係者が他国に情報を漏らしているので、

その証拠を集め、なるべく穏便に身柄を確保するというものだった。


そしてその軍関係者というのが、現在のお隣さんたる近江大尉だという。




これに対する俺らの出した現時点での結論は、

『この命を下した武田少佐の自作自演で、近江大尉は冤罪の可能性が高い』だ。



かくして俺たちは近江大尉からそれと知られずに情報を掠め取りながら、

武田少佐の狂言の証拠を突きつける為に動き始めた。




その手はじめとして、少佐がよく足を運んでいるこのカフェーで、

少佐とその周囲の人々の会話を聞くことにしたのだが。




……なぜこんなにも、実井の機嫌を損ねてしまっているのか、

残念ながら俺には全く分からない。






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状況説明に文字を割きすぎた……！！
あ、ちなみに少佐のモデルは嫌いな先生です
学生あるある……あるある？

あまおだ：砂糖３００％→←あまおだ：砂糖２００％

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