ふくじつ：クローバー ページ34
《福本side》
「実井」
「あ、部活終わったんですね」
「帰るぞ」
「はい」
図書室のドアを開けて俺は声をかけた。
引っ越した先の中学で、俺は実井という男と仲良くなった。
自分の能力を持て余し、周りにも持て余されていた俺と同等の実力を持っている、
そんな人間が居ることに驚いたし、それが何より嬉しかった。
しかも家も同じ方向なので、登下校まで一緒にしている。
さらに、実井は朝が弱いらしく、昼飯も基本菓子パンという生活だった。
弁当はどうしたと聞いたら残業の多い両親に無理をさせたくないと言った。
というわけで弁当も俺と実井の２人分、親に無理言って作らせてもらっている。
そこまでするのは、まぎれもなく、どうしようもなく、
俺が実井に惚れているからだった。
そして、明日はその実井の誕生日だった。
実井は本を読む。分厚いハードカバーの本。
偶に日本語じゃない。
いろいろな蔵書を、放課後、やけに品ぞろえのいい図書室で読んでいる。
一回５冊までの貸出上限を毎日借り、翌日返して別の本を借りて読む。
そんな生活を送っているようだった。
ので、栞を送ることにした。
幸運を呼ぶ四つ葉のクローバーの、押し花の栞。
喜ぶだろうか。
柄にもなく、恋する乙女のような事を考えてしまう。
(笑顔が見れたらそれだけで)
もう俺は死んでもいいと思ってしまうだろう。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
続きます
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梅酒（未成年）(プロフ) - minori♪さん» 適度に滲み出る人間らしさがまた素晴らしいですよね。公式さんもショタ出してますしね！！乗っかる以外の選択肢を見つけられませんでした (2016年9月17日 20時) (
レス) id: 402f3ade7c (このIDを非表示/違反報告)
minori♪(プロフ) - ショタも可愛いのに...、小田切 恐るべし。 (2016年9月17日 20時) (レス) id: fc9269d5d6 (このIDを非表示/違反報告)
梅酒（未成年）(プロフ) - レンさん» 小田切の汎用性の高い可愛さには私も常々癒されています。今日のテストの直前にも小田切を思い浮かべてモチベーションを上げました。一日最低五小田切。 甘利さん……敵が多いですね(笑) (2016年9月17日 20時) (レス) id: 402f3ade7c (このIDを非表示/違反報告)
レン - 梅酒（未成年）さん» あまおだがヤバイ。小田切可愛い。…だがしかし!!オイコラ甘利貴様、小田切が可愛いのは認めるが小田切は私の嫁だぁぁぁあああああ(`･д･´)やらんぞゴルァァア”ア” (2016年9月16日 22時) (レス) id: 981d585dc9 (このIDを非表示/違反報告)
梅酒（未成年）(プロフ) - レンさん» ちょっとｐｉｘｉｖに神作者様がいらっしゃいまして……(笑) ……思い付きました！！あの二人をイチャつかせてやりましょう (2016年9月16日 15時) (レス) id: 402f3ade7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梅酒（未成年） | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/umeshu/
作成日時：2016年8月21日 11時
