Another Side ページ4
「………はぁぁぁぁぁ」
突然現れ、敵をバッタバッタとなぎ倒した女が去った後、ズルズルとその場に腰を下ろす。
「何もんなんや、あの女……」
ただの傭兵言うとった。いや、そんなわけない。あの身のこなしは、ただの傭兵の動きやなかった。もし俺も手ぇ出されとったら……無事じゃ済まされんかったかもしれん。
「シッマ〜。シッマや〜い」
「あん？」
そんな思考を巡らせていれば、戦場で響くにはどこか間延びした声が俺の名を呼んだ。
「助けに来たで〜……って、なんや全員ぶっ殺した後かいな」
「大先生……」
ひょいひょいとあたりに転がる屍を超えながら、大先生が近づいてくる。
「これなら僕必要なかったなぁ……。数で押されとるって聞いたから来たんやけど」
そう言って、懐からタバコを出し火をつける。
そんな呑気な大先生に苛立ちを覚え、すっくと立ち上がって腹パンを１発。
「来るのが遅いねん大先生！」
「いたぁ！？何！？全員無事に殺せとる奴が何言うとん！？」
「これやったの俺やないもん！」
「……………は？」
ぽろり、大先生の指からタバコが滑り落ちる。あーあつけたばっかなのに勿体な。
どうやら俺の言葉の意味が、いまいち理解出来んかったらしい。
「……お前やないなら、誰がやったんや？」
「知らん女」
「女……やと……！？」
ピシャーン！と大先生の背後に雷が見えた。……気がした。そう思うが早いか、大先生はがっしりと俺の肩を掴んでガクガクと前後に揺さぶり始めた。
「コネシマぁ！何お前は戦場でやっすいラブロマンス築き上げとんねん！シバくぞこらどんな娘やったか詳細に教えて下さい！！」
「誰がラブロマンスなんか築くか！こちとら命守るのに必死やったっちゅーねん！あと女については教えん！！」
ええええと喚く大先生を引き剥がし踵を返す。持ち場があった大先生が加勢に来たっちゅーことは、この戦争も終幕を迎えようとしとんのやろ。
『――この戦、あんた達の勝ちだよ』
あの女が言うとった台詞が頭に浮かぶ。
信じてええんかは、半信半疑やけど。
「大先生！」
真実にしてしまえば、なんも問題ないな！
「なんや裏切り者」
「誰が裏切り者やシバくぞ！帰るで！俺らの居場所に！」
剣を空に掲げ、目を細める。さっきまで見る余裕もなかった空は、どこまでも広く晴れ渡っていた。
「この戦争、勝つのは俺達や！！」
-嘘か誠かなんてナンセンス!-
*
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ゆう - 返信ありがとうございます！そうなんですね！なんかかっこいい…！！ (2020年2月10日 7時) (
レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…！翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます｡ﾟ(ﾟ´▽`ﾟ)ﾟ｡ (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか？((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……！ありがとうございます！ (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠栞@ゼリー | 作成日時：2018年1月14日 1時
