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Prolog ページ1

――それは、いつも通り気まぐれに、珍しくもない戦争の様子を崖の上から伺っている時だった。


「これまた激しく争ってらっしゃることで……」


土埃と共に人間がひしめき合う戦場を眺めながら、ポツリと言葉を落とす。
私も戦場に立つ者――所詮雇われだが、傭兵というものをやっている。
女の身で傭兵をするのは珍しいらしいが、別に泣く泣くやっている訳では無い。戦争が、戦うことが、ただ単純に好きなだけだ。


(まあこれを言うと怪訝な顔をされてしまうから、口には出さないけど)


今私が見ている戦の当事者は、エレネルス国 対 我々国。
我々国の軍服は統制されていないので分かりにくいが、先程緑の殺戮屋として名高い彼がいた。
一方エレネルス国は対照的に紫で統一された軍服が印象的で、一目で国名を知ることが出来る。


「……ん?」


すると、そんな戦場の中に、異様に蠢き合う紫の集団が見えた。その中にポツリと見えるのは……金色?


(……どう考えても、エレネルスの人間ではないな)


ということは、我々国の人間だろうか。あんなに大勢に押しかけられたのであればすぐ潰れてもおかしくないだろうに、金色はしぶとく生き残っている。

戦場であのようなことは日常茶飯事だ。別段非難されることではない。が、一度見てしまったものを見捨てるのは目覚めが悪く――エレネルスには、幾分か前に辛酸を舐めさせられた覚えがある。
ならば、多少の報復をしても天罰は当たらないだろう。


「………よし、行くか」



*

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ゆう - 返信ありがとうございます!そうなんですね!なんかかっこいい…!! (2020年2月10日 7時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…!翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます。゚(゚´▽`゚)゚。 (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか?((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……!ありがとうございます! (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠栞@ゼリー | 作成日時:2018年1月14日 1時

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