邂逅 ページ25
「…………………ふぇぇ」
「何情けない声出しとるん？」
らしくないなぁ、と笑うオスマンさんを横目に頭を抱える。
私だって自分からこんな力のない声が出るなんて知らなかったです……。
目の前には応接室とは比べ物にならないほど重厚感溢れる木製の扉。つやつや。ぴかぴか。
「ここが総統室めう〜」
じゃじゃーん、と両手を広げてのご紹介。
……ついにたどり着いてしまった。どこからどう見ても偉い人がいますよって感じの、いわばラスボスのお部屋に。
(まさか総統閣下に直に会うことになるとは……)
完全に予想外。クォスターからは面接しか聞いてなかったのに。クォスターは面接があるとしか言ってくれなかったのに！！！！！
理不尽な怒りまでもが込み上げてくる。ごめんクォスター。良かれと思ってやってくれたんだよな。私のためになると思ってくれたんだよな。でも許さん。
「それじゃあ早速ご対面めう〜！」
こんこんっ、と軽やかに２回扉を叩くオスマンさん。おおう心の準備する暇もないんですね？いえ大丈夫です腹は括りましたからもうどうとでもなれ！！！！！！！
「オスマンです〜。傭兵さん１名連れてきためう〜」
『入りたまえ』
極度の緊張やらなんやらでぷるぷると震えている私を尻目に室内から低い声がかけられる。
そして間もなく開け放たれる目の前の扉。
真正面には大きな机があり、そこに座る人物と隣に立つ人物が影となっている。オスマンさんの後に続いて足を踏み入れると扉が閉まり、部屋にいた人物の容貌が明らかとなった。
――瞬間、息が詰まった。
背後にある窓からの日を浴び煌めく蜂蜜色の髪に、強く輝きを放つ柘榴の瞳。しっかりとこちらを見据えるその瞳には、どんなものにも揺るがない意志の光が宿っていた。
純粋に、綺麗な人だと思った。そして強い人なのだろう、とも。
その瞳に対峙した瞬間、丸ごと全てが吸い込まれそうになるほどには。
漆黒の髪を持つ隣の人物の紅玉の瞳もこちらをしかと見つめていたが、少し警戒の色も混ざっているように見える。
それもそうだ、余所者が国のトップに近づくという事は充分警戒に値する出来事なのだから。逆にここまで来ることが出来たのが不思議なくらいに。
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ゆう - 返信ありがとうございます！そうなんですね！なんかかっこいい…！！ (2020年2月10日 7時) (
レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…！翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます｡ﾟ(ﾟ´▽`ﾟ)ﾟ｡ (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか？((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……！ありがとうございます！ (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠栞@ゼリー | 作成日時：2018年1月14日 1時
