48話 ページ49
スノウ「詳しい話が聞きたければ、ムルに尋ねるといい。
ムルは<大いなる厄災>の研究をしとった」
シャイロック「今の彼には無理ですよ。秘密に近づきすぎて、魂が砕け散ってしまったんです」
スノウの言葉に対して、ムルではなくシャイロックが答える。
俺はその言葉に反応した。
晶「魂が砕けた……ねェ。
そういうことって、よくあるのか?」
シャイロック「普通はありませんよ。
目玉を交換されたり、幽霊を魔法で繋ぎ止めたりも、あんまり良くあることではありませんね」
ブラッドリー「ふん。変わり者どもの集まりだな」
シャイロック「私は好きですよ。人物であれ、酒であれ、優れたものと同じくらい、奇妙で異質なものは、豊かな物語を持っていますから」
晶「なるほど」
そういう考え方もできるんだな、と感心していると、気になるワードが出てきた。
カイン「西の国の魔法使いらしいな」
シャイロック「あなたも中央の魔法使いらしく、気性が真っ直ぐですよね」
晶「なあ、西の国らしい、中央の国らしいって、どういう意味だ?」
純粋な疑問。
それに答えてくれたのはスノウたちだった。
スノウ「この世界には5つの国があるのじゃ。中央、北、西、東、南」
ホワイト「住む国によって、魔法使いは人となりが異なる。
前の賢者が、賢者の書に記しておったぞ」
晶「へえ、賢者の書に…」
昨日は結局途中で寝たから、その先に書いてあったんだろう。
俺は食事を終えた後、部屋から持ってきた、賢者の書を開いた。
探さなきゃならねえかとも思ったが、昨日寝たところの次のページに書いてあったため、すぐに見つけられた。
『賢者の魔法使いは、中央の国、東の国、西の国、南の国、北の国から4人ずつ集まってくるらしい』
『選ぶのは超自然的な何かの力で、賢者の意思では選べない。
プリティ魔女軍団は出来ないらしい。残念!』
まじかよ、こいつ。
と、本の中の言葉にツッコミを入れそうになりながら、続きに目を通す。
『魔法使いは地域ごとに、性格に特徴がある』
『必ずとも出身地じゃなく、長く住んでいれば、その土地の気質が身につくらしい。西生まれでも東の魔法使いと呼ばれるやつもいる』
『中央の魔法使いは、正義感が強い。仲間思いで、嫌な仕事も進んでやってくれる。リーダー気質』
中央の魔法使い……。
カインとオズか。
カインはわかる気がする。
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作者名:ark | 作成日時:2021年8月14日 14時