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47話 魔法使いと朝食を ページ48

ムル「わーい、朝ごはんだ!」


シャイロック「ムル、空を飛ばないで。座って食事なさい」




空を飛びながら食べるムルに一切動揺することなく、注意するシャイロック。


俺は前の世界ではあり得なかったその光景に、一人驚いていた。

まあそもそも、こんな大勢で食事すること自体が初めてなんだが……。


一人そんなことを考える俺の隣では、スノウとホワイトが楽しそうに話している。




スノウ「おお、これは食べたことがあるぞ。そじやじゃ」


ホワイト「もじやじゃろう」


カイン「おじやですよ。塩かけま……」

ブラッドリー「いってえな!なんだ、いきなり!」


カイン「ブラッドリー……。いつからいた?」




ボケた年寄りのような会話をする双子の横では、再びカインが人にぶつかっていた。


今朝といい、今といい、本当にどうしたんだろうか。

少し心配になる。




ブラッドリー「さっきからいたろ!目玉、どこにつけてんだ!」


ヒースクリフ「さっきも俺のこと見えなかったよ。大丈夫?カイン……」


カイン「困ったな……。まあ、今は飯を食おうぜ。冷めないうちに」




しかしカインの様子を見る限り、本人はそこまで重要視してないらしい。

むしろ周りの方が心配している。


そんな中カインの正面にいるシャイロックは、一人関係ないことをつぶやいていた。




シャイロック「前から思っていたのですが、このおじやというものは、コーヒーにあいませんね」




随分と癖が強いというか……。

協調性のないこいつらと過ごしているうちに、それぞれの人柄も少しずつわかってきた。


ムルは気まぐれで衝動的。


シャイロックは大人っぽいがマイペース。


カインは気さくで兄貴っぽい。


ヒースクリフは人見知り。


あんまり知らねえが、ブラッドリーはサバサバしてて怒りっぽい。

多分ブラッドリーは俺と気が合うだろう。


スノウとホワイトは、みなに一目置かれている。


こうやってみると、うちにいた猫たちみたいで、懐かしい気がした。


仲がいいんだか、仲が悪いんだか、よくわからない、気ままな、あの感じに似てる。


ガチャガチャした会話の中味も。




スノウ「そうじゃ。<大いなる厄災>について、賢者には説明しなければのう」


カイン「ああ、さっき、俺が話した」




カインの言葉に乗っかるように、俺も頷く。




ホワイト「そうじゃったか。
なら、それでよい。手間が省けた」




今こいつ手間って言ったぞ。

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作者名:ark | 作成日時:2021年8月14日 14時

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