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3話 ページ4

ムル「もうすぐ、たどり着きますよ。
世界も、私も、随分と、めちゃくちゃになってしまいしたけど」




私も……?


その言葉に引っかかりを覚える。


しかし、俺が聞くより先に、再びムルが口を開いた。




ムル「あなたはきっと、私に失望なさるでしょう。
それでも、あなたと友人になれたなら、私はとても嬉しい。

聡明な、賢者様。あなたにお会い出来る時を、長い間、待ち焦がれておりました。

本音を言えば、世界はどうでもいいのです。人助けは、面倒ですからね。
ただ……。

この世界の真実を、あなたに見つけて欲しい」




ムルはそこまで言うと、そのまま姿を消した。


一方的に言いたいことだけ言って、消えやがった。


それと同時に、エレベーターが停止した。


ゆっくりと、扉が開いていく……。




一瞬、視界が白飛びするほど眩しい光が飛び込んでくる。


そして目を開くと、そこにはひげのオッサンが立っていた。




ひげのオッサン「賢者様……!」


晶「は」


ひげのオッサン「賢者様がいらっしゃったぞ!魔法使いどもが召喚に成功した!」


兵隊「賢者様ばんざい!」

兵隊「ばんざい!」




オッサンの言葉に、大柄な兵隊達が両腕を大きく上げてばんざいポーズを取る。


その異様な光景に、俺は再び混乱した。




ひげのオッサン「さあさあ、こちらへ賢者様。ようこそ、来てくださいました。

私は中央の国の魔法管理大臣、ドラモンドと申します」


気弱そうな男「ええと、私は中央の国の書記官、クックロビンです」


ドラモンド「さあ、賢者様!
魔法使いどもがここに来る前に、中央の城にお連れしましょう!」


晶「は、ちょ、待て!ここは何処だ!?いったいどういう状況だ」




忙しく自己紹介を済ませられたが、何が何だかわからない。


ここはどこなのか、こいつらは一体何を言ってんのか……。


さっきのムルだってそうだ。

一体何が起こってる?


最初は疲れで変な妄想しちまってんのかと思ったが、長すぎる。


まさか本当に、不思議なことに巻き込まれると思わなかった。

迷信だとばかり思ってた。




ドラモンド「賢者様をお待ちしていたのです!
賢者様には〈大いなる厄災〉と戦って、世界を救って頂きます」


晶「戦って、世界を救う?」




そんなゲームみたいな話、信じられるわけがない。


第一、戦って数百人の命を奪ってきた俺に、戦って世界を救えとか、皮肉かよ。

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作者名:ark | 作成日時:2021年8月14日 14時

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