百五十四話 彼女には向かない職業 ページ6
「何を沈めても誰を弑しても良い。だが、暴力を返されることは、支出であり負債だよ」
その言葉とともに、切られた肉が男の口に呑み込まれていく。
「そんな負債などと＿＿＿＿
芥川先輩は是迄の任務で忠雄な成果を」
「確かに芥川君は優秀だ」
樋口のそんな微かな抵抗に、少し食い気味に被せる男。
しかし、それでさえも淡々としている。
その隣にいる少女はもう眠たいのか、椅子の横で大きな欠伸をしていた。
「彼の暴力性は組織でも抜きん出ている
「………」
その男の言葉に、樋口の表情には絶望が映る。
「樋口君。
君は自分が、この仕事に向いていると思ったことは有るかね？」
男はさらに樋口を絶望の底に叩きつけるように、静かにそう尋ねた。
＿＿＿＿＿＿その後、女子トイレ。
手を洗った樋口はハンカチを口元に当てながら、鏡に映る自身の青ざめた顔を見つめる。
「………」
水道の蛇口を閉め何とか表情を変えようと顔を上げると、そこには後ろから首に短刀を当てられた自分の姿があった。
「！！」
「
樋口の首にグッと短刀が食い込みかけた時、トイレの入り口の方向から男の声が聞こえる。
樋口はその声の主を察すると、悔しそうにトイレの入り口を睨んだ。
「【黒蜥蜴】……」
「銀の野郎はそういう、やれ潜入だ暗殺だっつう陰気な仕事が多くてな。上の勅令で身内の喉を掻き切るなんてしょっちゅうだ。本番は驚く暇もないぜ」
樋口の呟きに反応してか、壁に身を預け反対側の壁に足をかけた立原がそう口にする。
その言葉と同時に、銀はすっと樋口から離れた。
樋口は解放された首元に手を当てると、相変わらずの青ざめた表情で黒蜥蜴たちに尋ねる。
「
「今はない。だが、明日は判らぬ」
そう、淡々と返す広津。
「私を
「警戒を促しに来ただけだ。私が貴方の立場なら、暗殺者が枕元に来る前に身の振り方を考え直す。命を狙うのは上ばかりとは限らぬしな」
そんな広津の警告に、樋口は苦い顔をする。
広津はそんな樋口に、更に諭すようにして続けた。
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ark(プロフ) - 瑞樹さん» そう言って貰えて嬉しいです！これからも頑張ります！ (2021年4月18日 23時) (
レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 設定も話もめっちゃ好きです！！これからも頑張ってください！ (2021年4月18日 22時) (レス) id: 704267e73b (このIDを非表示/違反報告)
ark(プロフ) - 麗さん» 指摘ありがとうございます (2021年4月7日 9時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 3ページ 名前変換出来ていないところあります (2021年4月7日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ark | 作成日時：2021年4月5日 10時
