百九十一話 花と紅葉、雪と金色 ページ43
場所は変わり、街の中。
少し細くなった通りの道で、一つの交通事故が起きていた。
日本ではあまり見られない独特な形状をした車が、電柱に突っ込んだのである。
電柱は傾いており、車もガラスにひびが入っている。
そして何より、その車のボンネットは傷がついており、電柱の重みによって、形状が変化してしまっていた。
そんな事故現場の、車のすぐ近くには二人の男。
長い黒髪をした長身の男は事故した車を見て呆然としている。
短い金髪の男に関してはもはや、アスファルトの上にうつ伏せに寝そべり、相当ショックを受けている様子だった。
「僕のロシナンテ号が……。
もうここで寝ていい?」
「目的地まで……、歩くしかない」
黒髪の男は金髪の男の言葉に返事をすることなく、キョロキョロと周りを見ながら歩き出す。
金髪の男は悲壮感漂う表情でガバッと起き上がり、大声で嘆いた。
「この国は道狭すぎだね?」
「は……早く終わらせて……帰りたい。外出は……四年振りだ」
やはり黒髪の男は金髪の男の言葉に耳を貸すことなく、ぶつぶつとつぶやいている。
この二人はおそらく外国から来たのだろう。
話の内容からそう推測できる。
横浜の街で外国人に出会うことなど少なくはない。
男二人はどことなく噛み合っていない会話をそこで終わらせる。
そして金髪の男は、先程までの落ち込みようが嘘のように気分を入れ替えていった。
「まあいいや、行こう。
【
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ark(プロフ) - 瑞樹さん» そう言って貰えて嬉しいです!これからも頑張ります! (2021年4月18日 23時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 設定も話もめっちゃ好きです!!これからも頑張ってください! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 704267e73b (このIDを非表示/違反報告)
ark(プロフ) - 麗さん» 指摘ありがとうございます (2021年4月7日 9時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 3ページ 名前変換出来ていないところあります (2021年4月7日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ark | 作成日時:2021年4月5日 10時