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百七十九話 剏めての御使い ページ31

____朝、社員寮の203号室。


[谷崎]という表札のかかったその部屋では、谷崎潤一郎が朝食を作っていた。


妹のナオミは食卓で本を読んでいる。




「はい、お待ちどお様〜。
今日は早矢仕飯(ハヤシライス)


「♪」




谷崎がそう言って二つの皿を持ってくると、ナオミは嬉しそうにそちらを振り向く。


そして、ふと思い出したように谷崎に聞いた。




「兄様、昨日港近くのお店で見付けたバウムクーヘン、購って来てくれました?」

「あ」


「忘れたの?
もう………云ったでしょう?今日は絶対あれを食べたいって」




動きを途中で止めた谷崎に、ナオミはそう云ってぷんすかと怒る。




「ご免………処で、

「あれ」ってこれ?」




そう云って谷崎が謝りながら顔の高さまで持ち上げたのは、ナオミの云っていたお店のバウムクーヘンだった。


それを見たナオミは怒るのをやめると、膨らませた頬のまま谷崎を見つめた。

そしてその後すぐ、ニコーと満面の笑みを浮かべる。


谷崎はその笑顔に少しびくりと反応した。


その次の瞬間、ナオミは谷崎に飛びつきながら叫んだ。




「もう莫迦!こうしてやる!」

「うわぶっ!?
待っ今は拙いって!先にご飯!」


何をしたのか気になる処だが、それは二人にしか知り得ない。









______そんなちょっとした騒動の後の食事中。


ナオミは谷崎が作った早矢仕飯をご満悦そうに食べている中、谷崎は食事を前に書類を手にしていた。




「兄様ったら食事中まで仕事?お行儀悪い!」




それを見かねたナオミが注意する。


それに対し谷崎は、書類から目を離すことなく、言葉だけで返事を返した。




「市警から聴取記録が届いたンだ、鏡花ちゃんの」


「あの子の?
確かにマフィアに拾われる前は孤児だったって」




身内の話が出てきたことで、ナオミもそちらに興味を持つ。


谷崎は読み終わったのか、書類から目を離すと、ナオミに説明した。




「孤児に成った理由さ__________ご両親が殺されたンだ」

「え!?」




驚きの事実にナオミは驚きを隠せない。


谷崎はさらに、重々しく言葉を続けた。







「犯人は________」

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ark(プロフ) - 瑞樹さん» そう言って貰えて嬉しいです!これからも頑張ります! (2021年4月18日 23時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 設定も話もめっちゃ好きです!!これからも頑張ってください! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 704267e73b (このIDを非表示/違反報告)
ark(プロフ) - 麗さん» 指摘ありがとうございます (2021年4月7日 9時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 3ページ 名前変換出来ていないところあります (2021年4月7日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ark | 作成日時:2021年4月5日 10時

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