百七十八話 剏めての御使い ページ30
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それは美しい日本庭園でのこと。
淡い色の桜が舞うそこには、二人の男女がいた。
男は前髪を上にあげており、いわゆるオールバックと言われる髪型をしている。
女は桜にあう美しい紅の髪を結い、黒い着物の上から白と桃の羽織を羽織っていた。
男は自分の周りを飛ぶ花弁を見つめながら、静かに口を開く。
「散る
女はその言葉を聞くとチャキと音を立てて仕込み傘から刀を取り出し、目の前に舞う桜の花弁を一枚、器用に真っ二つに切り裂いた。
「されど莟のまま、散らす事もなし」
そう一言、呼応するようにつぶやいた言葉は、桜舞う温かい風とともに頬を掠め、空へと舞い上がって行くのだった。
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ark(プロフ) - 瑞樹さん» そう言って貰えて嬉しいです!これからも頑張ります! (2021年4月18日 23時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - 設定も話もめっちゃ好きです!!これからも頑張ってください! (2021年4月18日 22時) (レス) id: 704267e73b (このIDを非表示/違反報告)
ark(プロフ) - 麗さん» 指摘ありがとうございます (2021年4月7日 9時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 3ページ 名前変換出来ていないところあります (2021年4月7日 9時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ark | 作成日時:2021年4月5日 10時