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七十七話 人を殺して死ねよとて(前編) ページ28

「ふァ〜〜あ」




敦が不思議そうに首を傾げるのとほぼ同時に、入り口の方からそんな声が聞こえた。




「寝すぎちまったよ」

「与謝野さん」




見れば、眠そうに口元に手をやった与謝野が、コツコツとゆっくり歩いてくる。

解体のこともありトラウマになったのか、谷崎は異常なほどに与謝野の登場に反応した。




「ああ、新入りの敦だね。どっか怪我してないかい?」


「ええ、大丈夫です」

「ちぇっ」


「……?」




与謝野の言葉に答えた敦だが、与謝野はその回答に残念そうに声を上げる。

敦はそんな与謝野の様子に若干のデジャヴを感じながら、首を傾げた。




「ところで、誰かに買出しの荷持(にもち)を頼もうと思ったンだけど……」




話を変えそう言った与謝野は、キョロキョロと辺りを見回すと再び敦達に視線を向ける。




「アンタとAしか居ないようだねェ」

「え!?」




敦は与謝野のその言葉に、驚いて後ろを振り返った。

しかし、後ろにいたのはA一人。


国木田も賢治も、乱歩も、先程まで与謝野の登場にビクビクしていた谷崎も、忽然と姿を消していたのだ。




「(危機察知能力って_____これ?)」


『(敦くん心の声がダダ漏れだなぁ)』




敦は先ほど聞いた話に、妙に納得したような気がしていた。

Aもそれを察知したように苦笑する。



結局二人は、与謝野の買出しについていくこととなったのだった。

七十八話 人を殺して死ねよとて(前編)→←七十六話 人を殺して死ねよとて(前編)



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ark(プロフ) - あきあきさん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです!!これからもよろしくお願いします! (2021年2月28日 5時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
あきあき - 最初から読ましていただきました!すっごく面白いです!原作+夢主のかけあいとかが好きです!頑張ってください! (2021年2月28日 4時) (レス) id: 2068c5b889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ark | 作成日時:2021年1月17日 22時

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