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五十二話 運命論者の悲み ページ3

叫びながら事務所に入っていく敦。



しかしそんな敦の目に映ったのは、国木田に投げ飛ばされている広津の姿だった。

その他でも、社員たちは大勢の黒蜥蜴相手に余裕の表情で戦っている。



黒服や立原、銀を積み上げその上に乗り、銃の中を覗く賢治。

下敷きにされている者たちに苦笑いを零し、顔を覗き込むA。

与謝野や乱歩に至っては、茶を飲みながら談笑を始めていた。


事務所の中には、ボコボコにされ転がる黒服たちの姿。


そんな中敦が帰ってきたことに気づいた国木田は、広津から手を離さず、敦に声をかけた。




「おお、帰ったか。
勝手に居なくなる奴があるか。見ての通りの散らかり様だ。片付け手伝え」




そう言いながらも、とどめとばかりに広津を締める国木田。




「ぎゃああああああああ」




ねじれていく腕の痛みに、広津は大きな悲鳴を上げながら失神した。


一方立原たちはとっくに失神しており、積み重ねられている。

賢治はその人の山を指差し、国木田に聞いた。




「国木田さーん、こいつらどうします?」

「窓から棄てとけ」


「(え……?マフィアの武闘派は……?
え?特殊部隊なみの…………あれ?」




敦は混乱した。

社員たちは襲撃にも平然と対処している。


そして、敦の目の前を通った国木田は言った。




「これだから襲撃は厭なのだ。備品の始末に再購入。どうせ階下から苦情も来る。業務予定がまた狂う。
しかしまあこの程度、いつものことだがな」




そうため息をつく国木田。


それを聞いた敦は、手帳に向かいブツブツと呟く国木田、落ちていく黒蜥蜴を眺めている与謝野や賢治、Aを見て思った。




「(………マ、マフィアより、探偵社のほうがぶっちぎりで物騒じゃん……)」




そんな敦を取り残して、乱歩は一言言って立ち上がった。




「国木田くーん、僕そろそろ“名探偵”の仕事に行かないと」


「名探偵?ああ、例の殺人事件の応援ですか」

「そう」




国木田も、すぐに言葉の意味を理解した。


乱歩は国木田の言葉に短く答えると、ヒョイと悪びれもせず誰かの仕事机に乗る。

そして机の上に立つと、国木田を振り返った。




「警察がね、世界最高の能力を持つこの名探偵、乱歩さんの助言が欲しいって、泣きついてきてさ」




乱歩がそう言うと同時に、事務所にブワッと風が入ってくる。


それに国木田はまだポカンとしている敦を指していった。




「こいつに手伝わせます。とりあえずおりてください」

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ark(プロフ) - あきあきさん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです!!これからもよろしくお願いします! (2021年2月28日 5時) (レス) id: 875b3ab9f7 (このIDを非表示/違反報告)
あきあき - 最初から読ましていただきました!すっごく面白いです!原作+夢主のかけあいとかが好きです!頑張ってください! (2021年2月28日 4時) (レス) id: 2068c5b889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ark | 作成日時:2021年1月17日 22時

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