105 薬草取り�� ページ6
薬草園での収穫を終えると、彼らは医務室へと向かった、保健委員会にとってはこの道のりが一番の問題だった。不運委員会とも呼ばれる彼らの元に、不運の事故が舞い込んでくるのだ。
「まあでも、今回はないかもしれないよ！」
「そんなことを言ったら……」
一気に不安そうな表情を見せる天女に、保健委員会は首を傾げる。
その瞬間、どこからか飛んできた手裏剣が乱太郎の籠に穴を開けた。草むらから出てきた野生のヘビに驚いた伏木蔵が籠の中身をぶちまけた。
「うわあああ！薬草がぁ〜！」
「今拾うから待っ──ギャアアア！」
左近は彼らの籠から落ちた薬草を拾おうとした瞬間、落とし穴に落ちた。近くにいた三反田も巻き込まれる形で穴の中に消えていった。
「二人とも大丈夫！？今助け──」
ドォンッ！！
「伊作ーっ！？うおっ！こっちも落とし穴かよぉー！」
どこからか飛んできたバレーボールが善法寺の顔にあたり、後ろにいた食満に倒れ込んだと思いきや、彼が下敷きになるように落とし穴に落ちてしまった。
ほんの一瞬のうちに、彼らが採取した薬草は天女の籠以外、地面にぶちまけられ、また風で飛ばされていってしまった。
「うわ……」
唖然としていた天女は、やっとのことでそう言葉を絞り出した。そっと落とし穴を覗いてきた。
「……お祓いに行った方がいいんじゃないですかね」
「そんなことしても治せないんですよぉ……やっぱりだめだったか……でも、榎本さんのがありますし！」
「いや……この量を当てにしちゃだめですよ……」
そこまで深くなかったのか、二人はすぐに落とし穴から出てきた。二人は左近と三反田を助けると、地面に散らばっている薬草を拾おうとする。しかし、また落とし穴に落ちても大変だと、天女と食満が拾っていった。
「いつもからすると大量だね！」
「本当ですね！これも、Aさんと食満先輩のおかげです！」
「またお願いしましょうよ、先輩！」
あんなに取ったはずの薬草は半分以下になっていたが、保健委員会は大満足な様子だった。食満も苦笑いを浮かべながら、「確かにいつもよりはましですよ……」と言った。
「え？これで？」
天女は驚いたままだった。医務室へと来ると、ぐちゃぐちゃに集まった薬草と籠を置く。
「よーし、仕分けするよ！留三郎も手伝ってくれるよね？」
目を輝かせながら頼んでくる善法寺に、食満は満更でもないように笑った。
「まあ、いいか」
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和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます〜！タソガレドキは毒を入れないとは二人も分かっているけど、上級生が毒味するのはあまりにもリスクが高く、下級生はもってのほか。なので、彼女がやるのが一番なんですよねぇ。 (3月30日 20時) (
レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 毒があるかもしれないおむすびを食べるなんて男気に溢れていますねぇ！今回の作品もとても好きです！！！ (3月30日 0時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 凡人様さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけるよう頑張ります！ (3月13日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
凡人様(プロフ) - すっごく面白くて最新話まで読み終えちゃいました！！夢主さんが誰にも靡かないで逆に利用してやる！！って感じのずる賢いところがとっても大好きです✨このシリーズが長く続きますように🕊️ (3月12日 5時) (レス) id: 2ec7772a57 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます！彼女は立場も力も弱い人間なので、ずる賢く生きる必要があるんですよねぇ。 (3月5日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆 | 作成日時：2023年12月8日 15時
