132 『山の廃屋�◆� ページ33
「えっ！さ、山賊と？」
天女は図書委員会の面々に庄左ヱ門と伊助との出会いを教えた。彼らが山賊に襲われているところを助けたために、忍術学園に行くことになったと。
「でも、そんなこと二人は……」
「私が口止めしてるんだ。生徒達の敵意を生む原因になり得るからね」
きり丸は「だから、二人は乱太郎を……」と納得したようだった。妖術にかかっていると周りに思われていた乱太郎を、二人が裏で支えていたのだろう。
「五年の二人は私を殺すことなんか躊躇わないだろうけど、
上級生二人は含みのある言葉で気づいたようで、ハッとしたように「確かに……」と呟いた。いくら憎き天女様だとしても、そういう光景を好んで見たりしないだろう。
「私ももう動けないように見せていたから、二人は去っていった」
「天女様が対峙できると思ってなかった……」
「そして、能勢君がちょうど助けに来てくれた」
山賊から逃れるために戦うことを覚悟していたが、誰かが助けてくれないかとも思っていた。
「能勢君のことを左近君から聞いたことがあって。池の掃除をしてるところを見てたんだってね」
「あっ、それはその……」
「君は他の図書委員よりも私のことを知っててくれた。休憩の時にも話しかけてくれたでしょう？」
だからこそ、君が同情して、助けを呼んでくれないかと思っていた。
「君の純粋な心配を利用したに近い。本当に……ごめんなさい」
「そんな！ただおれは……」
首を振って謝らないでと伝えてくる久作に、天女は頭を下げた。
「見つけてくれて、助けてくれて……ありがとう」
彼はゆっくり頷くと、「あなたが……無事でよかったです」と微かに微笑んだ。話を静かに聞いていた中在家が天女の方に体を向け、頭を下げた。
「もそ……試すようなことをして申し訳ありませんでした」
突然の謝罪に目を丸くする。今度は不破が恐る恐るといった様子を見せながら謝る。
「僕もすみませんでした。あの時、嫌な言い方をして……見捨てるようなことをして……」
彼に続いて、おれも、ぼくもと謝り出すきり丸と怪士丸に、天女は苦笑いを浮かべる。
「謝ってくださってありがとうございます。それだけで十分です。皆さんには助けて頂きましたから。本当にありがとうございます」
その真摯な姿は従来の�狹圭�様�瓩醗曚覆辰討い拭Ｈ爐蕕稜Ъ韻�変わった瞬間だった。
133 止まらない違和感 side 鉢屋→←131 山の廃屋��
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和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます〜！タソガレドキは毒を入れないとは二人も分かっているけど、上級生が毒味するのはあまりにもリスクが高く、下級生はもってのほか。なので、彼女がやるのが一番なんですよねぇ。 (3月30日 20時) (
レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 毒があるかもしれないおむすびを食べるなんて男気に溢れていますねぇ！今回の作品もとても好きです！！！ (3月30日 0時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 凡人様さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけるよう頑張ります！ (3月13日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
凡人様(プロフ) - すっごく面白くて最新話まで読み終えちゃいました！！夢主さんが誰にも靡かないで逆に利用してやる！！って感じのずる賢いところがとっても大好きです✨このシリーズが長く続きますように🕊️ (3月12日 5時) (レス) id: 2ec7772a57 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます！彼女は立場も力も弱い人間なので、ずる賢く生きる必要があるんですよねぇ。 (3月5日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆 | 作成日時：2023年12月8日 15時
