121 傍観者�� ページ22
「ほ、本当に……天女様は妖術をかけたんですか？」
まるで、天女が妖術をかけた、という話を疑っているようだ。
そうだ、彼は二年生。すでに天女のことを知っていると左近から聞いたことがある学年だ。
「かけてない……と言ったところで、君たちは信じないでしょう？なら、ここでその議論をしたところで何の意味もないですよ」
「味方が欲しいんじゃなかったのか？だから、留三郎に打ち明けたんだろう？」
「その時は、ですけどね」
「今は違うのか？呑気なもんだな、お前は遠出の日に殺されるんだぞ。伊作からその可能性を聞かされてそうだがなぁ」
それを言うのかと、四年生は戦々恐々としていた。こちらから目を逸らさない七松は、天女を品定めしているように見える。
「ええ、ええ、聞いてますよ」
天女は面倒くさそうに、首を振りながらそう答えた。あっけらんとする天女に彼らは驚きが止まらない。
「もういいですかね、許可なく話すのも本当はだめなんですよ」
歩き去っていく天女の後ろ姿に、七松が問いかける。
「私達を味方にしたくないのかー！」
天女が答えることはなかった。
・・・
「うーん、どう思う？滝夜叉丸」
泣いている一年生の金吾を慰めている下級生の傍ら、七松が四年生の平滝夜叉丸にそう問いかけた。
「えっ、いや……金吾の言う通り、ああいう態度を取ることで気を引こうとしてるんじゃないですか？それしかないと思いますが……」
七松は一瞬だけ四郎兵衛と次屋へと目を向けたが、すぐに視線を逸らした。
「……それなら楽でいいんだがな」
「えっ、それってどういう──」
「よし、金吾が元気になったら、天女様のことを忘れるためにバレーするぞ！」
「えー！？ 今からですかぁ！？」
「細かいことは気にするな！」
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和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます〜！タソガレドキは毒を入れないとは二人も分かっているけど、上級生が毒味するのはあまりにもリスクが高く、下級生はもってのほか。なので、彼女がやるのが一番なんですよねぇ。 (3月30日 20時) (
レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 毒があるかもしれないおむすびを食べるなんて男気に溢れていますねぇ！今回の作品もとても好きです！！！ (3月30日 0時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 凡人様さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけるよう頑張ります！ (3月13日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
凡人様(プロフ) - すっごく面白くて最新話まで読み終えちゃいました！！夢主さんが誰にも靡かないで逆に利用してやる！！って感じのずる賢いところがとっても大好きです✨このシリーズが長く続きますように🕊️ (3月12日 5時) (レス) id: 2ec7772a57 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます！彼女は立場も力も弱い人間なので、ずる賢く生きる必要があるんですよねぇ。 (3月5日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆 | 作成日時：2023年12月8日 15時
