120 傍観者�� ページ21
この学園には不思議な声で鳴く人たちがいる。代表的な例はギンギーン、いけいけどんどーん、ジュンコー！などだ。
最初が潮江、次が六年生、最後は先日あった三年生の声だ。それ以外にも不思議な声が飛び交う学園だが、これらが特に特徴的だと言えよう。
「いけいけどんどーん！」
そうそう、こんな声だ。そんなことを思っていると、視界に緑色の忍び装束が飛び込んできた。
「ん？あっ、天女様見つけたぞ！」
「ちょっ、ちょっと待って……七松、先輩……待ってくださいって……！はぁ……！」
元気いっぱいに走ってきた彼の後ろには、疲労感たっぷりな四人がいた。なんらかの委員会の集まりなのだろう。多分だが、体育委員会とやらだろう。
天女の姿を目にすると、一年生は恐怖と怒り(保健委員会のことを知っているのだろう)からか、唇を噛み締めていた。二年は少し心配そうにこちらを見つめ、三年──前に迷子になっていた生徒はこちらに小さく頭を下げて挨拶をしてくれた。
「天女様〜！一緒にバレーしよう！」
「えっ……許可状は？」
「あっ、忘れた」
今気づいたと言わんばかりの彼に、天女はほっと息をつく。
「それでは無理ですね。委員会の皆さんを休ませる時間に充てたほうがよろしいかと」
「むっ、本当に許可取らなきゃだめか？」
駄目だと天女ははっきり断った。七松は「ちぇっ」と口を窄ませたが、さすがに強制的に参加させようとはしなかった。
「こればかりは規則ですので。では、これで」
仕事に戻ろうとする天女の背に、誰かの声がぶつけられた。
「そ、そうやって興味がないふりをして……油断させて！乱太郎達に妖術をかけたんでしょ！！」
振り返れば、我慢できないと言ったように一年生が叫んでいた。
表面上は、保健委員会が妖術にかかっていると気づいていないように、生徒達は振る舞っているが、それでも下級生は天女を前にすると怒りが止まらなくなるのだろう。
「よせ、金吾！」
「乱太郎達を返せ、返せ！！」
「す、すみません、天女様！お許しください！」
四年生が慌てて金吾の口を塞ごうとしている。七松の先ほどのような明るさが消え失せ、静かに彼らを見守っている。すると、今度は彼の隣にいた二年生が口を開けた。
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和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます〜！タソガレドキは毒を入れないとは二人も分かっているけど、上級生が毒味するのはあまりにもリスクが高く、下級生はもってのほか。なので、彼女がやるのが一番なんですよねぇ。 (3月30日 20時) (
レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 毒があるかもしれないおむすびを食べるなんて男気に溢れていますねぇ！今回の作品もとても好きです！！！ (3月30日 0時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 凡人様さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけるよう頑張ります！ (3月13日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
凡人様(プロフ) - すっごく面白くて最新話まで読み終えちゃいました！！夢主さんが誰にも靡かないで逆に利用してやる！！って感じのずる賢いところがとっても大好きです✨このシリーズが長く続きますように🕊️ (3月12日 5時) (レス) id: 2ec7772a57 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆(プロフ) - 飴玉くんさん» ありがとうございます！彼女は立場も力も弱い人間なので、ずる賢く生きる必要があるんですよねぇ。 (3月5日 17時) (レス) id: 3efe28aec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和三盆 | 作成日時：2023年12月8日 15時
